ミクシィ、2010年3月期は上場後初の減益へ--マス広告や「mixiアプリ」への先行投資で

 ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「mixi」を運営するミクシィは5月11日、2009年3月期連結決算を発表した。営業利益は前年同期比0.6%増の37億7100万円にとどまった。売上高は19.9%増の120億5200万円だった。2009年3月末のmixi会員数は1年前に比べて20.1%増の1683万人、3月の月間ページビューは11.4%増の153億6000万ページビューだった。

 2010年3月期連結決算については営業利益が前期比15.1%減の32億円になる見通しだと発表した。景気低迷で企業が広告出稿を手控える傾向が続くとみて売上高は前期比7.9%増の130億円程度にとどまると保守的に見積もった。一方でソーシャルアプリケーションサービス「mixiアプリ」の開始にともなう開発・設備投資やアプリの買い取り、マス媒体を含めたプロモーション費用などがかさむ。営業減益は上場以降初めて。

 ただ、決算会見で代表取締役社長の笠原健治氏は「今期は先行投資で厳しいが、来期には成長を回復できる」と強調した。

 収益の基盤となるユーザー数は現在も堅調に拡大している。足元では月間20万人のペースで増えている。下期にかけてはmixiアプリサービスや既存ユーザーの紹介がなくても参加できる登録制を始める効果で、ユーザー数の伸びは加速すると見込む。

 mixiアプリは8月にPC向け、9月にモバイル向けを開始。10月には課金支援プログラムを始める。そのうえで、登録制を導入する。「友人がいない状態で参加しても活発にコミュニケーションを楽しめるようにする」(笠原氏)ためだ。アプリの課金収入などの2割をミクシィが受け取る仕組み。アプリの導入でユーザーが増え、課金収入も増えるという好循環を期待する。

 またミクシィは同日、西日本の広告営業拠点となる大阪営業所を6月1日に開設することを発表した。

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