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ウィジェットは「個人」とつながるメディアに進化する - (page 2)

竹下直孝(ソニー)2009年04月30日 15時56分
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成功事例から学ぶ、企業におけるウィジェット活用のポイント

 企業がウィジェットを利用したマーケティングを行う際に、SNSやブログであればユーザーのプロフィールページに設置すること、また、PCやモバイルであれば機器にインストールするといった、ユーザー自身による何らかの能動的なアクションが必要とされる。すなわちウィジェットとは、ユーザー自身の力が働かない限り、成立しないメディアであり、企業がウィジェットをマーケティングに利用するにあたって、この点について強く意識することが必要となる。

 そこで、ウィジェットを利用したマーケティングにおける成功事例を元に、企業におけるウィジェット活用のポイントについて解説する。国内では現状、ブログパーツを利用した事例を目にすることが多いと思う。今回は、2006年12月に行われた、ニンテンドーDS用ソフト「漢検DS」のプロモーション・キャンペーンにおいて、購買と直接的に連動したブログパーツ・プロモーションを実例として取り上げる。

 このプロモーションの中でブログパーツは、大きく「認知拡大、体験機会の創出、購買導線の拡大」という役割を担っており、それらの実現に向けて、以下の3点がコンテンツ内に意識的に組み込まれている。

  • 体験
    ブログパーツ上でゲームを体験できる環境を忠実に再現
  • 参加
    都道府県別対抗/結果を表示することによる参加欲+競争意識を演出
  • 購買導線+ユーザーモチベーション
    販売サイトへのリンク+アフィリエイト連携によりユーザーベネフィットを提供

 このように、「ブログパーツを通じたコンテンツ体験(興味拡大)」「ゲームの結果を元にした自発的な広がり(認知の拡大)」という当初の目的に基づいていることを前提に、ユーザーモチベーションを意識したコンテンツプラニング(設計)を行うことが、最も重要なポイントとなる。

 さらにプロモーションにおいて特筆すべき点は、ブログパーツが広がりやすい環境構築のために、事前PR活動が組み合わされたことだ。

 具体的なアクションとして、ニュースに取り上げられやすい漢字の日に合わせて「日本人の漢字力低下」という社会的な視点でのニュースリリースを行い、TVや新聞などの40以上のメディアに記事が掲載された。

 結果として、その後展開されるブログパーツプロモーションが浸透しやすくなる環境が構築された。

 最終的には、テレビCM、バナー広告やリスティング広告、店頭POPなどによる横断的なセールスプロモーションも行われたが、特にネット上では、ブログパーツを始めとするキャンペーンが大きな話題となった。成果という点でも、このブログパーツは、期間中1万人以上のブログに貼り付けられ、総露出数は800万インプレッションを超え、さらに15万人以上がブログパーツで「漢検DS」を体験することに繋がった。当然ながら、ゲームソフトの販売数も65万本を超える大ヒットとなった(出典:岸勇希著「コミュニケーションをデザインするための本(電通出版)」)。

 この事例を元に、企業におけるウィジェットマーケティング実施の際の重要な点を、以下に整理する。

ウィジェットウィジェットマーケティングの手順(クリックすると拡大します)
  1. 初期設計
    ウィジェットの利用目的と目指すべき効果を設定する。
  2. コンテンツの企画・設計
    個人にモチベーションを与えられなければウィジェットは広がらない。興味を持たせることはもちろん、特にユーザー間でのコミュニケーションのネタ(ついつい 人に薦めたくなるなど)になる仕掛けについて意識して組み込むことが必要。
  3. 配布パス確保
    自社サイトでの紹介だけでは限界がある。アクティブなブロガーとの連携や 他の広告媒体を利用した宣伝告知など、あらかじめ露出プランを計画しておくことが必須。
  4. PRに組み合わせた環境構築
    客観的なニュースとして取り上げてもらうことで、活動そのものが浸透するキッカケとなる。全体のプロモーションのどの部分で利用するかも含めて、初期段階で プランニングしておくことが必要。

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