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ウィジェットは「個人」とつながるメディアに進化する

竹下直孝(ソニー)2009年04月30日 15時56分
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ウィジェットウィジェットのメディア特性(クリックすると拡大します)

 ウェブメディアやニュースで、「ウィジェット(widget)/ガジェット(gadget)」という言葉を目にすることが非常に多くなった。ウィジェットは2005年にPCのデスクトップ上などで動作する「小型のアプリケーションソフト」として登場した。

 その後、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)やブログに貼り付けられることで、多くのインターネットユーザーに認知された。さらに「iPhone」の登場以降、モバイル機器への展開が加速。2009年以降は、テレビ、カーナビゲーションなど、ウェブに接続が可能な機器の多くに「ウィジェットプラットフォーム」の搭載が進んでいる。

 このようにウィジェットのマルチプラットフォーム化が進むことは、企業活動にどのような効果をもたらすのだろうか。

企業にとって、ウィジェットは「個人とつながる自社メディア」

 ウェブサイトやメールマガジンを用いて、顧客に対して「Pull(ユーザー主導)&Push(企業主導)」するマーケティングは、長きに渡り、多くの企業が採用している手法だ。

 そこに、インターネットの利用方法や利用環境の変化に基づき、「Web2.0」という新たな概念が登場したことで、RSS、XML化により効率的に最新情報をユーザーに届ける手法が生まれた。

 さらに検索エンジンを通じて、企業とユーザーをマッチングさせる「SEO」と呼ばれる新たなマーケティングソリューションが確立されるなど、一種の変革が起きた。上記と同様に、近年ウィジェットが世界的に拡大している背景に、「インターネット環境における新たな変革」を見ることができる。

変革1:CGM(個人メディア)の台頭 = CGMへの接触頻度の向上

 日本広告主協会・ウェブ広告研究会の調査結果によれば、2006年から2007年にかけて、SNSやブログといったCGM(ユーザーが生み出したコンテンツ)のページビューは2倍に増加しており、さらに家庭のPCでのインターネット利用時間のうち、25%程度がCGMの閲覧時間に割かれているとのこと。

 すなわち、個人が情報発信するメディア上で情報取得するというライフスタイルが定着する中で、企業が自社サイトで情報発信するだけでは、その情報はユーザーに届きにくくなってきているという課題に直面している。

変革2:ウェブマーケティング指標は「ページビュー重視」から「利用時間重視」へ

 FlashやAIRなど、RIA(Rich Internet Application)と呼ばれる、ユーザインターフェースにおける操作性や表現力を向上させる技術の進化により、インターネットの利用動向にも大きな変化が表れている。

 2008年5月に発表されたネットレイティングスの調査結果によれば、2008年4月の日本におけるウェブの総利用時間は前年同月比で18%増加しているものの、1人あたりの月間平均ページビューは、4年前(2004年)とほぼ同等の水準に低下している。

 これは、従来のウェブサイトにおいてページを横断することで情報に接触するという概念に変わり、「ユーザーが、企業情報に対する接触した頻度や時間」という点を強く意識しなくてはならないことを意味している。

ウィジェットウィジェットが企業の情報発信の手段に(クリックすると拡大します)

 こういった背景から、現状、「SNSやブログといった個人が発信するメディアとの連携」という点や、「個人とできるだけ近い位置でつながることのできるポジション確保(デバイスへの常駐)」といった視点からも、「個人と直接的につながるメディア」として、ウィジェットを通じた情報発信を積極的に展開する企業が増加しているのだと考えられる。

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