Sun Microsystemsは1995年に初めてJavaをリリースした。ウェブサイトの見た目を良くするためのものだったが、オンラインバンキングアプリケーションなどのサーバソフトウェアを駆動させる方法として商業的に受け入れられることになった。Javaの設計では、ソフトウェアは、稼働しているハードウェアの細かい仕様の影響を受けないようになっている。そのため、ある意味では、Google App EngineにJavaを組み込むことは、このテクノロジの拡張としては自然なことだ。
しかし、違いもある。プラス面では、JavaプログラムをApp Engineで稼働させると、管理者は、トラフィックの急上昇に対応できるだけのサーバがあるかどうかを心配せずにすむようになる。
だがApp Engineのテクニカルリーダーを務めるKevin Gibbs氏によれば、App Engineは、従来のSQLデータベースではなく、Googleの「BigTable」テクノロジでデータを格納しているため、プログラマーは、比較的古いJava Database Connectivity(JDBC)標準ではなく、Java Data Objects(JDO)やJava Persistence API(JPA)のような、より新しいインターフェースを使用する必要があるという。
Googleはまた、別のツールでもJavaをサポートしている。そのツールとは「Google Web Toolkit(GWT)」だ。GWTは、Javaソフトウェアを、ウェブサイトがインタラクティブアプリケーションを動作させるために使用するJavaScriptコードへと変換する。
GWTプログラムのマネージャーも兼ねるBowers氏は、オープンソースのGWTソフトウェアの新しいバージョン1.6では、プログラマーはプログラミングツール「Eclipse」を利用し、1つのJavaアプリケーション(バックエンド処理とJavaScriptのウェブインターフェースの両方)を一挙に作成すると述べている。
GoogleはJava標準に準拠することを目指しているが、App EngineのJavaサポートが予備的なものであることについて、注意を発している。App Engineは、Sun MicrosystemsのJava認定テストに合格していない。Googleは、その認定を受けることを予定しているかどうか、また内部でどのJava基盤を実際に使用しているかについては、コメントしなかった。
全体的には、Google App EngineでのJavaのプログラミングは、Javaプログラマーにはどちらかというとなじみのあるもののはずだ。例えばIBMは、同社の「DB2」データベースを使用する「WebSphere」ソフトウェアにApp EngineのJavaプログラムを移動する様子を紹介した。
Gibbs氏は「できれば数カ月のうちに、すべてのJava開発者がApp Engineを使用でき、心から満足するようになればと思う」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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