モバイルはGoogleの取り組みにおいて中核を成すものだ。同社がiPhoneや他の一部モデル向けに提供している検索アプリケーションではすでに、タイピングだけでなく音声でも検索できるようになっている。音声認識の精度は2009年第1四半期に15%向上し、サービスの利用が急増している、とGundotra氏は述べた。
Gundotra氏はかつてMicrosoftで働いていたが、当時4歳だった娘の言葉がきっかけで、Googleで働くことになった。Gundotra氏が友人に向かって、質問の答えが分からないと話したところ、そばで聞いていた娘が、「パパ、パパの電話はどこ?」と尋ねたという。
「娘はわずか4年の短い人生経験で、質問に対する答えが分からないときはいつも電話を取り出すものだ、と思い込んでいた。娘にとって、電話は(質問に答える)究極の解答マシンだったのだ」(Gundotra氏)。この出来事がヒントになり、同氏は、世界の情報を整理して人々に提示するというGoogleの企業理念が携帯電話にも通じるはずだと気づいた。
GoogleはHTML 5を支持しているが、HTML 5が普及するまでには時間がかかる。一方、より高度なリッチインターネットアプリケーション向けの代替ツールは他にも存在し、特にAdobe Systemsの「Flash」が普及している。ほかにも有望なツールとして、ウェブアプリケーションをブラウザなしで利用できるようにする「Adobe Integrated Runtime」(AIR)や、Flashと競合するMicrosoftの「Silverlight」がある。
AIRについて質問されたGundotra氏は、「Adobeは素晴らしい製品をいくつか手に入れたと思う」と述べ、GoogleがYouTubeでのビデオストリーミングにFlashを活用していることに言及した。「一方でまた、MicrosoftのSilverlightもある。(こうした専有技術が並立する状況に対し)私はオープンなウェブ標準を好む傾向がある」(Gundotra氏)
ここで、Gundotra氏はHTML 5のもう1つの機能をアピールし、「私は、ビデオタグが広く採用されるようになると予想している」と述べた。ビデオタグは、Flashプレーヤーなしでビデオストリーミングを可能にする技術で、考え方としては、現在のウェブブラウザが個別のプラグインを追加しなくてもグラフィックスを表示できるのと似ている。
Gundotra氏はまた、提供開始から1年を迎える「Google App Engine」を自賛した。これは、ウェブベースのアプリケーションを稼働するのに利用可能なサービスだ。Google App Engineでホスティングされているこうしたアプリケーションの1つに、「Google Moderator」がある。これを利用すれば、質問を投稿したり、答えを知りたい質問に投票したりできる。Google Moderatorはもともと、Googleで毎週開かれる社員ミーティングで、社員が共同創設者のLarry Page氏とSergey Brin氏に質問するためのツールだった、とGundotra氏は説明する。
Gundotra氏によると、ホワイトハウスがBarack Obama大統領のオンライン対話集会にGoogle Moderatorを使用する計画だと発表したとき、Googleは歓喜する一方で、不安も抱いたという。
だが、Google Moderatorは負荷に耐え、「(Google App Engine上にある)他の4万5000のアプリは、これほどの大規模な負荷にも全く影響を受けなかった」とGundotra氏は述べた。
オンライン対話集会のGoogle Moderatorシステムは、ピーク時には1秒間に約700件の質問を処理し、360万人が答えを聞きたい質問に投票した、とGundotra氏は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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