最後にBogost氏は、タイミングは思われているほど重要ではないと語った。
言い換えれば、例えば基となる映画への興味を活用するために、ゲームタイトルをできるだけ早く世に送り出すことが重要だと思われているようだが、このことは必ずしも必須ではない。Atari 2600用ゲーム「帝国の逆襲」は映画公開後まる2年たってから発売された、とBogost氏は説明する。
Bogost氏は「こうしたものは、特に子供の場合なかなか消えはしない」と述べ、息子に「実のところ映画を見に行くのは、そのDVDを買うかどうか判断したいだけ」と言われたことがあると付け加えた。
確かにBogost氏の講演はやや抽象的で、ゲームデザインに直結した結論を出していない。むしろ同氏が探究しようとしていたアイデアは、あまりに多くのことをやろうとするよりも、シンプルさの方が良いアプローチとなる場合が多いこと、そして、プラットフォームとしてAtari 2600が毎回ゼロからやり直したり、高望みしたりすることなく、人々を幸せにし、商業的な成功を収めることが可能だと証明したことだ。
1970年代と80年代のゲームデザイナーは、毎回ゼロからやり直したり高望みしたりするのではなく、人々が過去に楽しんだ体験を注意深く検討し、これをAtari 2600に当てはめることによって、社会環境の最良な面を組み合わせたゲームタイトルを製作し、家庭の中へ持ち込むことができた。
そして長い年月がたった現在、Atari 2600の時代に想像できたいかなるものより強力な「Xbox 360」やPS3のようなゲーム機の時代においても、任天堂は過去に学んだいくつかの教訓を適用し、これらを現在に適応させる方法を見つけている。
「Atariは今なお生き続ける遺物だ。(ビデオゲーム業界の)歴史の強力な一面であり、こうした理由においてだけでもAtariを知っておくべきだ」(Bogost氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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