iPod shuffleはこれまでも軽量ボディで、移動中も身軽に音楽をまとえるだけでなく、ジョギングなどのスポーツ中のミュージックプレーヤーとして重宝していたユーザーも多いだろう。
たとえばジョギング中のシャッフル再生で、好みの曲を見つけたとき、その曲がなんだったか思い出せない経験はないだろうか? 自分のミュージックライブラリとはいっても、だんだん膨大になる曲数のすべてのタイトルを把握しているわけにはいかないだろう。軽さと引き替えにディスプレイがないiPod shuffleで耳にした曲を、後でライブラリから見つけ出すには苦労する。
そんなとき、新しいiPod shuffleの耳元のコントローラーを長押ししてみと、「YOU / The Rhythm Slaves」とヘッドホンから曲名、アーティスト名が英語の音声で聞こえてくる。これがiPod shuffleが搭載したVoiceOverである。
「iPod shuffleを初めてiTunesに接続すると、VoiceOver Kitが自動的にダウンロードされます。これは、iTunesのライブラリから楽曲タイトルの言語を分析して14カ国語に読み分け、楽曲名、アーティスト名を読み上げるオーディオファイルを作成してくれます。そして、楽曲をシンクすると、読み上げのオーディオファイルをiPod shuffleに自動的に転送します」(エリス氏)
この音声ファイルは非常に小さく、「4Gバイトに1000曲を詰め込む時に影響が出ない微々たるもの」(エリス氏)とのことだ。言語によって声が違い、英語は男性の声、日本語は女性の声だった。Mac OS X Leopardに接続した場合のみ、Leopardに搭載されたAlexが喋ってくれる。
このVoiceOverの演出もしゃれている。音楽再生中に喋らせると、ちょっとボリュームが下がり、読み上げ終わったらまた元に戻るのだ。まるでVoiceOverがラジオのDJのように曲紹介をしてくれるのだ。
ラジオ番組を制作している僕からすると、ついついイントロの8小節で、出だしのサビの後で、間奏で、とラジオっぽいタイミングでVoiceOverに喋らせたくなってくる。
あるいは、出だしだけちらっと聞いてすぐに止めて、曲名を言ったら再生してVoiceOverで正解を確認、というイントロクイズもできる。ただVoiceOverをスピーカー出力する手段がまだないため、みんなで楽しむことはできないんだけれども。
基本的にはiTunesで自動的に言語を判断してくれるが、時々判断ミスをしたり、正しい言語で読まれても理解できないこともある。
「多くのクラシックはドイツ語やイタリア語で曲名などがつけられていて、ジャンルも考慮してiTunesはドイツ語やイタリア語として読み上げます。しかしたとえば我々英語が母国語の人間からすると、あまりに“流暢な”ドイツ語で読まれてもわかりません。そんなときはiTunesから、楽曲単位、もしくはアルバムやジャンル単位でVoiceOverの言語を指定する事ができます」(エリス氏)
ただ、日本語のふりがなを振ることはできないため、たとえば一三十三一は「ヒトミトイ」と読まず、「いちさんじゅうさんいち」と読んでしまうなど、完璧ではない部分はある。ただ、わかるから良い、と言われればそうかもしれない。
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