iWork'09は、ドキュメント制作ソフトのPages、表計算ソフトのNumbers、プレゼンテーションソフトのKeynoteの3本のアプリケーションで構成されている。今回のアップデートで顕著に目立つのは、Pagesの強化だ。
現在でこそMicrosoft Wordと競合するPagesは、当初ページレイアウト指向のアプリとしてWordとは違った性格を持っていた。ところがPages'08からはレイアウトに加えてワードプロセッサのモードを取り入れ、Word 2008もまたページレイアウト指向を取り入れた。Mac上のメジャーなドキュメントアプリはページレイアウトとワードプロセッサの2つのモードを使い分ける流儀が定着しつつある。
今回のPagesの強化ポイントは、特にワードプロセッサの機能に力点が置かれているように感じる。まず気に入った機能は、フルスクリーンモードとアウトライン編集だ。
このモードに入ると、ディスプレイには目の前に1枚もしくは見開きの紙が黒い背景の上に置かれ、それ以外の表示やメニューは隠された状態になる。文章を書くことに集中できるのは言うまでもない。Macのメニューバーまで隠れるため、時間も忘れて文章を書いてしまうことになるだろう。マウスを上部もしくは左の縁に持っていけば、メニューやページのサムネイルが表示されるから便利だ。
そしてアウトライン編集。僕は今まで、OmniOutlinerという軽快なアウトライン編集ソフトを使ってメモを取ったり構成を考えたりしてから、それをコピー&ペースとして文章を書くスタイルを取っていた。これをPagesだけで完結させられる点はとても評価できる。
また、今までできなかったのが不思議だ、と思われるかもしれないが、Numbersで作成したグラフをPagesの文書中に差し込むことができるようになった。もちろんNumbersでデータを編集すれば、Pagesの文書にも反映される。ますますPagesがドキュメント制作のエンドポイントを担う性格が強くなった。
そのほか、Numbersでは2Dのグラフ作成機能を強化したり、Keynoteでは新しいトランジションやエフェクトが追加されたりして、作業効率や表現力が高まっている。このあたりはキャプチャやムービーを見ていただければと思う。
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