シナリオとユーザー行動観察調査を用いたネット広告の有効活用 - (page 2)

若林龍成(ビービット)2009年03月12日 08時00分

広告の改善でもシナリオの概念とユーザー行動観察調査が有効

 広告を日々運用改善する際はユーザーが何を考えてどう動くかという「シナリオ」の概念を持つことが重要です。

 広告や広告を押した後のページ(ランディングページ)を点で捉えるのではなく、そもそも何を考えて検索をし、なぜ広告を押すのか、広告を押した後の心理変化とは何か、といった具合に一連の流れでユーザーの行動を考えます。これがシナリオになります。サンプルを以下に挙げますが、このくらい細かい精度で作成ができるとよいでしょう。

シナリオの概要図シナリオの概要図(画像をクリックすると拡大します)

 ただし、シナリオは仮説にすぎないので、シナリオを作成したら簡易的でも良いのでユーザー行動観察調査を実行してください。

 ユーザー行動観察調査を行うことで、仮説・シナリオの妥当性が検証できます。調査では、広告や自社サイト以外での動きや心理変化が把握できるため、広告以外の集客施策を発見できることもあります。

 例えば、弊社があるポータルサイトで実施した取り組みでは、ユーザー行動観察調査を通じて有益な集客施策を発見することができ、改善を行った結果、集客量が3倍・売上が2倍に向上するという成果につながりました。

 日々の運用だけでは発想が広がりづらいので、施策を考え出す手段としてもユーザー行動観察調査は有効になります。

 シナリオ作成からユーザー行動観察調査までの流れをまとめると、以下のようなステップになります。

ユーザー中心のネット集客プロセスユーザー中心のネット集客プロセス

 一見複雑に見えるかもしれませんが、インターネット広告でもこうしたユーザー中心の考え方に沿ったプロセスを実施していくことが、長期的な成果向上に結びつく近道であると考えます。

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