アクセス解析の罠--ユーザー行動観察調査の併用による解決

中村佳史(ビービット)2008年12月05日 18時52分

◆本コラムのサマリ

 ・アクセス解析はユーザーの行動パターンを明らかにすることができる有効な手法であるが、それだけではサイト改善は望めない。

 ・効果的なサイト改善のためにはアクセスデータには表れない行動理由(ユーザー心理や背景)を把握し、精度の高い改善仮説を持つことが重要である。

 ・ユーザー行動観察調査はユーザーの心理や背景理解を助ける手法であり、アクセス解析と併用することでROIの高いサイト改善が可能になる。

アクセス解析の罠 「アクセス解析だけでサイト改善はできない」

 近年、アクセス解析はツールの進化とともに、ますます多くの企業で実施されるようになっています。インプレスR&Dの「インターネット利用動向調査報告書〈ウェブ担当者編〉2007」によると、2007年時点で、約48%の企業でアクセス解析が実施されています。今やアクセス解析はサイト改善のために欠かせない手法の一つとなっているのです。

 しかしコンサルティングの現場で実際に企業のサイト運営の様子に接すると、アクセス解析を有効活用できている企業は意外に少ないと感じられます。「データは常に見ているけど、どうやって改善していいかわからない」。これがよく聞かれるウェブマスターの悩みです。

 このようなウェブマスターは「アクセス解析の罠」に陥っています。ツールから得られる様々なデータと格闘している間にデータばかりに注意が奪われて、本来必要な別の情報への注意が薄れてしまうのです。

 今回は「アクセス解析の罠」から抜け出すための効果的なサイト改善手法をご紹介します。

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