Appleが米国時間3月3日に発表した、待望のデスクトップ型「Mac」の刷新は、急速に廃れつつあるデスクトップというカテゴリで利益率を確保しようという同社の決意の表れといえる。
3つのデスクトップMacカテゴリが3日に一新されたが、本当に重要なのは1つだけだ。「Mac mini」も「Mac Pro」も、人気の点でオールインワンタイプの「iMac」にはまったくかなわない。Appleは同じ価格帯でiMacの仕様を向上させ、24インチバージョンの価格は1499ドルに下げている。しかし、2007年9月から新しくなっていないデザインについては、大きな変更はほとんどなく、またiMacの価格を1000ドル以下にしてほしいという要望にも応じなかった。これは、経済情勢が悪化している今、Appleの売り上げに響く可能性のある心理的障壁だと、そのような一連の考え方から言える。
そうする中でAppleは、少なくともiMacに関しては市場シェアよりも利益率を優先する姿勢を示したことになる。結局のところ、今新しいコンピュータの購入を考えている人たちは、デスクトップではなくノートブックを買う。
デスクトップの売り上げは世界中で激減している。Gartnerの予測では、2009年のデスクトップの出荷台数は31%減少し、パーソナルコンピュータ市場全体は11.9%縮小するとしている。Appleもそうした傾向と無縁ではない。同社の第1会計四半期に、デスクトップMacの売り上げは25%減少しており、この減少率は同じ時期における市場全体の落ち込みを上回るものだった。
興味深いことに、Appleはその落ち込みについて価格が原因とは考えていないようだ。NPD Groupのデータによれば、それはおそらく、Appleの顧客はMacデスクトップに対してMacノートブックよりも若干高い金額を支払うことに抵抗がないからだろう。「Windows」の場合は、そのようなことはない。
過去6カ月間の米国におけるMacデスクトップの平均販売価格は1503ドルで、Macノートブックは1493ドルだった。Windowsの場合、過去6カ月間のデスクトップの平均価格は545ドルであり、ノートブックは637ドルだった。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス