世界最大の携帯電話メーカーであるNokiaは、世界的な景気後退の影響で、携帯電話の需要が急落しているのを受け、同社工場での人員削減と、少なくとも1つの研究開発拠点の閉鎖を実施する計画を明らかにした。
Nokiaは現地時間2月11日、フィンランドのサロにある主要な工場で、減産計画に着手することを発表した。同社はまた、ローテーションベースで、同工場の2500人の従業員のうち、およそ20%〜30%をレイオフする予定である。このレイオフは各部門のローテーションに及ぶため、同工場の全従業員に影響が及ぶことになる。
Nokiaはさらに、フィンランドのユバスキュラにある、320人が勤務する研究開発センターを閉鎖する計画であることも明らかにした。また、他の拠点でも、さらなる90人のレイオフに踏み切る計画が発表されている。
今回の一連の発表は、Nokiaが世界携帯電話市場の需要失速の影響を受けていることを示すものとなった。同社経営陣は1月、投資家に向けて、2009年の世界携帯電話市場は全体的に約10%の縮小をたどる見込みであると語っていた。
Nokiaの売り上げは2008年第4四半期中に、前年同期比19%減となる165億ドルまで落ち込んだ。また、同四半期の利益も前年同期比で約69%減となった。
世界の携帯電話市場が落ち込む中でも、スマートフォンの販売は実際には増大している。2008年第4四半期には、スマートフォンの販売台数が、AppleやResearch In Motion(RIM)の製品が好調だったため、前年同期比で約22.5%増を記録した。しかしながら、Nokiaは、このハイエンド層に需要があるスマートフォン市場において、AppleやRIMにシェアを奪われてしまった。
悪化する経済情勢に対処するため、Nokiaの最高経営責任者(CEO)であるOlli-Pekka Kallasvuo氏は、2009年1月に開かれた四半期決算の発表会の場で投資家に対して、同社が2010年末までに年間経費を約9億500万ドル削減する予定であることを明らかにしていた。Kallasvuo氏は、この経費削減にはレイオフも関係していることを認めていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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