また、Microsoftは、可能ならば、Windowsに組み込まれているエラー報告ツールにも、「Fix it」オプションを追加し始めている。以前は、プログラムのクラッシュ時にユーザーができることといえば、Microsoftに対してエラーリポートを送れるのみであった。しかしながら、最近では、(自動的に)システムが、問題を解決する上で役立つ何らかの情報が存在するかどうか、チェックを進めるようになっている。Brownell氏は、その次なるステップとして、問題を自動的に解決可能なオプションの提供が目指されていることを明らかにした。
長期的な観点からは、さらなる壮大な期待さえ抱かれている。
もちろん、あらゆるバグや不具合を取り除くことこそ、究極の目標とはなるものの、Brownell氏は、それは容易には達成できそうにないと認めている。
「われわれは顧客が何の問題も抱えないような状況を実現したい。とはいえ、どんなに努力したとしても、何らバグのないソフトウェアなど、決して出荷することはできないだろう」と、Brownell氏は述べる。
その代わりに、Brownell氏は、Microsoftの製品が、自動的に問題点を見つけ出し、自律的に修正を実行するような時代がやって来ることに期待をかけているという。たとえば、Brownell氏は、Microsoftのサーバソフトウェア「Exchange」上では、ディスクスペースの空きが少なくなれば、ほぼ間違いなく問題が起きてしまうことを指摘する。だが、このような問題が起こる前に、確実にユーザーが対策を取るように促すべく、同社は対応を進めていることが、一例として挙げられている。
Brownell氏は、別の例として、もしユーザーが、互いに競合する2種類のドライバを同時に利用している時、Microsoftが通知を出している点も引き合いに出した。適切なプライバシー保護が行われるならば、何らかの問題が生じる前に、ユーザーが通知を受け取り、修正のサポートが提供されるのは、非常に良いことであると、Brownell氏は述べた。
このような体制が築かれるのは、まだ現実的というよりは、希望的なビジョンに過ぎない段階ではある。だが、Brownell氏は、すでにMicrosoftが、それを実現すべく、必要とされる対策を講じ始めていることも明らかにした。
Brownell氏によれば、Microsoftは、Windows 7で、OS内の問題点を自動修正するのに必要な能力を提供する意味合いもあって、「Action Center」の追加を決定したという。現在提供中のWindows 7のベータ版では、まだその例を見出しにくいものの、同製品の提供サイクル期間中には、いくらか自動修正が提供される機会を目にすることになるだろうと、Brownell氏は語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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