AppleのMac部門は前四半期、デスクトップPCにおける売り上げの落ち込みをノートPCの売り上げ急増で補うことにより、不況の圧力に耐えることができた。今後も同様の傾向が続くのだろうか?
調査会社ChangeWaveが米国時間2月4日に発表した新たな調査結果によれば、Appleの2009会計年度第1四半期(2008年10-12月)決算は比較的好調だったとはいえ、まだ楽観はできないことが明らかになった。調査では、今後90日以内にノートPCを購入する予定があると答えた人のうち、Apple製のノートPCを購入する予定だと答えた人の割合は、2008年11月の調査から6ポイント減少し、28%となった。
ノートPC全体で見ると、購入する予定があると答えた人の割合は11月の8%から6%に低下しており、苦しい状況にあるのはAppleに限ったことではない。また、家電製品にかける支出も減少傾向にあり、今後90日以内に家電製品に支出する予定があると答えた人の割合は2年半ぶりの低水準にまで落ち込んだ。
だが、Changewaveによれば、Netbookに対する需要は高まっており、これによりノートPCや家電製品の売り上げ減少の一部は相殺されるという。Netbookについて、Appleは今のところ様子見の姿勢をとっている。Changewaveのレポートは結論として、景気後退が進むにつれPC市場はますます価格に敏感になっているため、Netbook市場に参入しなければAppleは苦境に立たされる可能性があるとの見解を示している。
この結論に同意するかしないかは、おそらく市場をどう見るかにかかっているだろう。Netbookは成長しているが、それほど利益をもたらすわけでもない、利益率の低い製品だ。利益を犠牲にして販売台数を増やしたからといって、必ずしもメーカーの収支が改善するわけではない。確かに、より価格を意識した製品を提供する競合他社が得ていたかもしれない利益をいくらか手に入れることはできるだろうが、果たして投資家は粗利益の減少を容認するだろうか?
Netbookはないものの、Apple製ノートPCの売り上げは前年比34%増と、IDCがまとめた推計20%という市場全体の平均よりも大きく伸びている。ただし、Appleの伸びの一部は、2008年10月に同社のノートPC製品が刷新されたことで、それまでの買い控えが解消されたことに由来する可能性がある。Netbookの出荷数は2009年には倍増すると予測されているが、2008年の販売数は1000万台にすぎない。一方のAppleは、2008年に640万台の「MacBook」および「MacBook Pro」を売り上げた。
Appleが抱える真の問題は、ここ数カ月間で「iMac」シリーズへの関心が薄れていることだ。実際、落ち込みは市場平均より激しい。ただし同社は今後数カ月の間に同製品群をアップグレードする用意があるようで、Changewaveの調査でもこれを意識した回答が見られた。今後90日以内にデスクトップPCを購入する予定があると答えた人のうち、Macを購入する予定だと答えた人は28%で、11月の27%よりわずかに増加している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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