知らない人にも「ニコ動はすごい」と思わせたい--夏野氏が語る「iモード化」の真意 - (page 4)

永井美智子(編集部)2008年12月19日 14時03分

――これからニコニコ動画はどうなりますか。

 まぁ、ひろゆきは「明後日の方向」と言っているし、(ユーザー数は)1000万人でいいんじゃないって言っている。でも僕はもっと、国民的なインフラにしていきたい。 2000万人くらいまでは持っていきたいなぁ。

 そのためには、動画のコミュニケーションプラットフォームとしてもっと簡単に動画を共有できるようにするとか、自分で撮影したものを自分の知り合いだけ見せられるようにするとか、いろんなニーズに応えられるようにしていきたいですね。

――モバイルサービスでは大きな動きがありませんが。

 忙しくて手が回りませんでした。これからやります。

 モバイルでは2つのアプローチがあって、1つはPCを持っていない外出先などで見たいというニーズに応えるもの。それからもう1つ、携帯電話でしかできないことも考えています。

――具体的には?

 言えません(笑)。携帯電話だからこそできるという機能を付けていきたいですね。

――iモードをずっと手がけてきた夏野さんの目に、今のニコニコ動画はどう映っていますか。

 手がけているものが全然違いますらね。やっぱり、速いですよ。

 携帯電話のサービスって、新しいものを発想してから実現するまでに2年くらいかかる。新しい端末を作ったりするからね。それに対して、ニコニコ動画では「7月に話していたことが全部できちゃった、さて次のことをやりましょう」というくらいですから。速いよね、サイクルが。

――それは良いことなんでしょうか。

 もちろん。ウェブのサービスはそれくらいのスピードでやらないとダメということでしょうね。

――12月4日の発表会は7000万円ほどの費用をかけたという話でしたが、次のバージョンアップはいつごろになるでしょうか。

 実際はもうちょっと多くて、7500万円くらいかかりました(笑)。次のバージョンは今まさに議論しているところです。とはいえ、メジャーバージョンアップは、半年に1回くらいでしょう。残っているものとして、かなり大きな課題も(運営側に)投げていますからね。半年後にできるかもわからない。(ニコニコ)小会議はいけると思うけれども、大会議はね。

 課題は山積みなんですよ。ほかのメジャーサイトはやっていて、ニコニコ動画だけがなぜかやっていないものがあるんです。しかもやればかなり強力なツールになるのに、手が回っていない。そういったものを一通り、しかもニコニコ動画なりのオリジナリティを付けてやらないと面白くないですから。

081212_natsuno2.jpg ドワンゴ内にある夏野氏のオフィス。資料や本が山積みにされ、冷蔵庫も置いてある。部屋はガラス張りでニコニコ動画開発チームの席から見える位置にあり、夏野氏の拠点がドワンゴにあることを感じさせた

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