知らない人にも「ニコ動はすごい」と思わせたい--夏野氏が語る「iモード化」の真意 - (page 2)

永井美智子(編集部)2008年12月19日 14時03分

 それはもう、地道に。

 どこの会社が目玉というより、きちんと著作権処理されているものが、これだけあって、しかも前面に出てくることで、一種の安心感が出てきたのではないかと思います。

 全部で1000万人のお客さんがいて、毎日200万以上のユニークユーザーがアクセスしているサイトなんて、世界でも珍しい。このプラットフォームを権利者やコンテンツプロバイダーの方にも利用してもらった方がいいし、それでビジネスにつなげてもらったほうがいい。

 公式コンテンツを出してもらうことで、不正に投稿されているものが減っていく。そういうサイクルにやっと入れたということです。

――権利者との話し合いはスムーズでしたか。

 いろいろありましたよ。ただ、テレビ番組などを勝手に投稿したものについては徹底的に削除しているので、それを理解していただけた。「いやいや、まだ足りない」という方もいらっしゃって、もっと徹底的にやってくれと主張される方も、もちろんいます。

 いずれにしろ著作権者のビジネスにつながるようにするということが大事なので。たくさんのお客さんが来ていて、それが公式コンテンツをちゃんと見ていくという世界をきちんとこれから作っていかないといけないと思っています。それしかないでしょう、いたちごっこなんですから。

 公式チャンネルのページからほかのページには自由にリンクを張れるようにしています。自分たちのサイトへの誘導口として、どんどん使って下さいと。200万人が回遊するサイトの中に1つ自分たちのサイトへの誘導口を作っておくというのは、決して悪い話ではない。使わない手はないと思うんですけどね。

――有料チャンネルの料金は。

 高いところだと月額1000円、安いところだと100円くらいからありますね。それは自由に決めてもらっています。今後は個別課金も導入します。

――動画のダウンロードができないようなDRM(デジタル著作権管理技術)はかけているのですか。

 基本的にはニコニコ動画のほかの動画と同じです。技術的にできるだけのことはします。ただ、iモードのときもそうだったんですが、ユーザーは動画1本が目当てではなくて、そのサイトに入っていろいろな情報を得るのが目的だと思います。

――公式チャンネルの目標数は。

 iモードと同じくらい(笑)。特に具体的な数値目標があるわけではないんですが、動画を見ようと思ったら、ここに来れば必ず入り口があるというような状態にして、ニコニコ動画の中、もしくは各企業のサイトで楽しめるようにしたいですね。

――例えば、ニコニコ動画の中にGyaOチャンネルのようなものができてもいいと?

 USENには話していますよ。どうぞ、とね。

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