「一方、映画会社は利益を上げ続けビジネスを存続可能にする一連の利用ウィンドウを設定している。(映画会社は)慎重に戦略を立てて相応の利益を得る手段を見つけることなく、これらのウィンドウを急いで閉じてデジタル配信に移行することはないだろう」とSaxton氏は述べた。
大手メディア企業はインターネットについてただ傍観しているわけではない。最大手の映画会社数社は動画サイトHuluで作品を提供し、Metro-Goldwyn Mayer(MGM)は最近YouTubeに映画を数本投稿した。Warner Bros.ではバットマンシリーズのヒット作「ダークナイト」のBlu-ray Discの購入1枚ごとに、同映画のデジタルコピーを1つ提供している。
ある映画会社の幹部によると、ハリウッド映画業界はデジタル配信への移行を何とかやり遂げようとしているが、最大の収入源を失わないやり方で実現しようとしているという。この幹部は「他のやり方ではビジネスが成り立たない」と述べた。
公平に言って、この幹部の発言は的を射ている。音楽産業に目を向けると、Atlantic Recordsはダウンロード売り上げがCD売り上げと同じになった最初のレーベルだが、これを達成するのにほぼ10年かかった。10年前に音楽をダウンロードすることが現在映画の巨大なデジタルファイルをダウンロードすることより簡単だとしても、それほど長くかかっている。品質に関しては、オンラインで真の高画質映像を配信するのは程遠いようだ。
これらの事実から考えると映画のデジタルでの売り上げがDVD売り上げと肩を並べるにはまだしばらく時間がかかりそうだ。
ハリウッド映画業界は、多数のコンシューマーが従来のテレビ視聴よりもオンライン視聴を好むようになったら、やっと納得してインターネットストアに良い条件を出すだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」