iTunesから消える映画作品--ライセンス契約に見る映画配信サービスの現状 - (page 2)

Greg Sandoval(CNET News.com) 翻訳校正:川村インターナショナル2008年12月16日 07時45分

 答えはもちろん、テレビ局がそう言っているからだ。

 リリースウィンドウが映画業界でどのように定着しているかを理解するには数十年さかのぼらなければならない。大手映画会社はテレビが新しい大きな収入源であると気づくまでテレビを恐れていた。CBS(CNET Newsの親会社)は、1959年に「オズの魔法使い」の独占放映権を購入して大成功を収めた。Judy Garland主演のこの古典映画は何年間も独占的にCBSネットワークで放映された。

より大きな利益を生むテレビ放送

 有料のケーブルテレビやペイパービュー方式の台頭に伴って、実際に放送料が入り始めた。これらの事業者は独占放映権に大金を払うことが多い。映画会社の2人の重役によると、有料ケーブルテレビやペイパービュー事業者が自身のリリースウィンドウ中にApple、Netflix、その他のインターネット小売業者に販売やレンタルをしてほしくないと言えば、その通りになるという。

 結局は金銭の問題である。現時点では、テレビの売り上げに比べればNetflixやiTunesからの売り上げは非常に小さなものだ。

 Adams Media ResearchのアナリストJan Saxton氏は、映画のダウンロードによる収入は映画会社の売り上げの0.06%にすぎないことが最近の調査で明らかになったと言う。Saxton氏は、同社の見積もりによると、ダウンロード配信からの利益は少し高くなっているが依然わずかなものだと述べた。

 Saxton氏は、映画会社はインターネットでの配信がさらに普及するまで、高い利益をもたらすリリースウィンドウを捨てることはないだろうと述べた。

 「映画会社にとっての課題はビジネスが変化していることだ。ライセンス契約の更新が近づいているので、ハリウッド映画業界がデジタル配信の新しい現実に適応するように契約内容を変更する可能性はある。現在デジタル配信が非常に注目されていることは間違いなく、インターネットでの利用を管理しなければ、コンシューマーがコンテンツをリッピングし共有することを映画会社は認識している」(Saxton氏)

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