ウェブサイトの可用性を監視する企業であるPingdomは、Googleが提供している「Google Apps」のサービス品質保証契約(SLA)には、同社が責任を回避する大きな余地が存在すると結論づけた。
Google Appsの SLAの下では、企業に提供されるサービスの可用性が約束した水準(1カ月間の測定で99.9%の可用性)に達しない場合、顧客に補償を行う必要がある。しかし、Googleは最低10分間続いたダウンタイムしかカウントしないため、それよりも短いダウンタイムが断続的に続いた場合の責任を免れる可能性がある、とPingdomは指摘する。
同社の現地時間12月4日付ブログには「仮にGoogle Appsが9分間ダウンした後、1分間回復し、その後再び9分間ダウンする事態が続いた場合はどうなるのか。この場合、個々のダウンタイムはすべて10分未満なので、1時間当たりのダウンタイムは54分間になるが、Googleはこのダウンタイムを一切カウントしない」と記されている。より可能性のあるケースとして、例えば、停止状態が3分、8分、12分、5分、9分、14分、4分と断続的に続く場合が考えられる。この場合、実際のダウンタイムの合計は55分間だが、GoogleのSLAの下では、ダウンタイムは(10分以上しかカウントしないため)26分間としてカウントされる。
Googleは、アップタイムには関心がある一方、SLAの条件や、同社の言うPingdomの「仮説的シナリオ」については気にしていない。
Google Apps担当シニアプロダクトマネージャーであるRajen Sheth氏は、「われわれのSLAと同業他社のそれとを比較すれば、全く同一の内容と分かる」と述べ、例としてMicrosoftの「Microsoft Exchange Hosted Services」を挙げた。サービスプロバイダーは「完全な機能停止と断続的エラーとを区別するために」、どこかで境界線を設ける必要があり、Googleはどこにその境界線を設定するかを明確にしようとしているとSheth氏は言う。
Sheth氏の発言は、機能停止が断続的に続いた場合についての質問を巧みに交わしているように聞こえるかもしれない。しかし、一時的な機能停止を大惨事と同様にみなすべきではないだろうというGoogleの主張も一理ある。現実的に考えて、(10分という計測の)間隔を縮めようとすれば、恐らくGoogleは、99.9%というアップタイムの公約を引き下げるか、あるいはユーザー1人当たりの年間料金50ドルを引き上げざるを得なくなるだろう。ユーザーが代償を払わずにサービスが良くなることはないと筆者は考える。
また、SLAも重要だが、結局のところ、サービスが仮に破綻すれば、顧客は補償の有無に関係なくすぐさま解約するだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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