The Wall Street Journalが、コストを抑えようと努力するGoogleの様子を伝える記事を掲載している。記事の大半は、同社におけるコスト抑制の動きを公に示す証拠を集めたものとなっているが、なかには、半ば神話的な存在だったGoogleが現実的な会社に変貌しつつあることを示す、貴重な情報も書かれている。
既知の情報として記事中に挙げられたのは、LivelyとSearchMashの提供中止、契約社員1万人の削減、Google Page CreatorのGoogle Sitesへの吸収、一部地域におけるオフィスの閉鎖、Google Financeでの広告表示、ぜいたくだった食事提供などの福利厚生の縮小など。だが、記事中で最も注目すべきは、同社が研究資金の利用に根拠を求め始めたこと、データセンターの拡大の速度を落としていること、売り上げありきでしか従業員を雇用しなくなっていること、検索広告以外に収入源の多角化を図ろうと模索していること、といった情報である。
プログラマーたちは無料の食事を間違いなく感謝しているだろう。しかし、Googleのようなどちらかというとエンジニア指向の企業にとってより深刻な問題としては、勤務時間内に社内プロジェクトに従事できる自由、つまり、Googleで有名な20%タイムがある。これが頓挫したことを示すものは何もない。しかし、実際には、収入を生み出すプロジェクトがリソースを得ているようだ。
記事には「開発中のプロジェクトを管理するため、経営幹部たちはエンジニアリングバイスプレジデントたちに対し、部署内の有望なプロジェクトを20件ランキングするよう求めた。ランキングに入った案件にはたくさんのリソースが投入されたと、Googleのプロダクトマネージャーたちは述べる。リストから漏れたプロジェクトは、技術サポートを得ようとしても、これまでとは状況が一変した」と記されている。
Googleの中には、より良い活動の場を求め始めるプログラマーもいるのではないだろうか。とはいえ、経済危機は続いており、Googleは依然として、技術志向の文化を求める人にとって安全な会社であることは間違いない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」