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DECはなぜ滅び、アップルはなぜ成功したのか--ビジネスと教育のありを考える

藤本京子(編集部)2008年12月03日 13時57分
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 未来の学校教育について考えるMicrosoft主催のイベント「2008 School of the Future World Summit」が12月2日、米国シアトルにて開幕した。Microsoftは、ITによって人々の可能性を引き出すというミッションの下「UPプログラム」(UPはUnlimited Potentialの略)を推進しており、同イベントもこの取り組みの一環として開催されている。

 初日の基調講演に立ったのは、Innosight Institute 共同創立者 兼 教育担当エグゼクティブディレクターのMichael Horn氏だ。Horn氏は、企業の成功と失敗を例に挙げ、その教訓をいかに教育に生かすべきかについて語った。

Horn氏 Innosight Institute 共同創立者 兼 教育担当エグゼクティブディレクターのMichael Horn氏

 Horn氏はまず、成功を収めた企業がなぜ失敗するのかについて語った。同氏が例に挙げたのはDECだ。DECは、メインフレームよりも小型で小さなスペースでも利用できるミニコンピュータを開発して成功したが、1990年代に苦境に陥り、1998年には当時のCompaq(現Hewlett-Packard)に買収された。DECの失敗の要因はどこにあったのか。

 DECがミニコンピュータの成功から次のステップに進もうとした時、2つの選択肢があった。ひとつは、少数のハイエンドユーザーをターゲットとした高価なミニコンピュータを開発すること、もうひとつは、一般消費者をターゲットとした安価なミニコンピュータ、つまり当時は粗悪で使い物にならないと一部のDEC幹部が考えていたパーソナルコンピュータを開発することだ。「DECは前者を選択し、失敗した」とHorn氏は語る。

 「テクノロジは通常、ユーザーの求めている以上の早さで進化する。しかし大きな成功を収めるのは、テクノロジの進化より一歩遅れていたとしても、新しい市場を作り出す企業だ」(Horn氏)

 新しい市場を作り出すことで成功した企業の例としてHorn氏は、AppleやDell、トヨタなどを挙げた。Appleは、PCユーザーをターゲットとした製品を出すよりも、おもちゃのように楽しく使える製品を提案した。Dellは、それまでの常識であれば高価になってしまったであろうユーザー好みのカスタマイズPCを、できあいのハードウェアやソフトウェアを部品として組み合わせる方法にて安価に提供した。

 現在米国にてハイエンドのLexusが大成功を収めているトヨタも、米国進出当初からLexusを販売していたわけではない。「トヨタはまず、Fordのような大型自動車が買えない顧客に対し、小型で燃費のいいカローラを販売した。その成功からブランド力をつけ、徐々にハイエンドの車も提供するようになった。究極のLexusに行き着くまではじっくり時間をかけた」とHorn氏は説明する。

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