MSと高専機構、全国の高専のPCを利用したグリッドコンピューティングプロジェクトを開始

 独立行政法人 国立高等専門学校機構(高専機構)とマイクロソフトは3月25日、全国の国立高等専門学校(高専)55校で保有する教育用PCをネットワーク接続することによりハイパフォーマンス・コンピューティング(高性能計算:HPC)環境を実現する「高専連携グリッドプロジェクト」を本格的に始動すると発表した。

 高専連携グリッドプロジェクトは、複数のPCサーバを連携したHPCを可能にするサーバOS「Windows Compute Cluster Server 2003(Windows CCS 2003)」を利用して、各高専に数百台レベルで整備されている教育用PCを並行稼働させ、高専間をネットワーク接続することで、各校をまたいだグリッドコンピューティング環境を実現し、教育と研究の両面で活用するという試み。2007年度より、岐阜高専、豊田高専、徳山高専の3校が試験導入に取り組んでいる。

 教育用PCの空き時間を活用して、研究で必要な長時間の高度科学技術計算を短時間で完了させることができるほか、高専の生徒に早くからHPC環境を体験させることができる。また、地域産業との連携により、各高専での共同研究の展開を促進し、全国レベルでの広域共同研究環境を実現できるとしている。

 プロジェクトは3カ年計画で進行し、最終的には、グリッド連携した6500台のPCからなる、スーパーコンピュータに匹敵する計算能力を備えた並列処理HPC環境を目指す。

 マイクロソフトは、同プロジェクトに対してWindows CCS 2003のライセンスを提供するほか、グリッドの導入を検討している各高専の教師や高専機構と連携して、アプリケーションの稼働検証、評価、導入支援などを行い、参加する高専が増加するよう支援するとしている。

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