Mozillaの「Firefox」は、Internet Explorer(IE)を抜き去り、ブラウザ界で「Buick」のようなブランドへと急速な成長を遂げた。快適かつ安全であり、しかもかっこいいのである。
だが、ExtremeTechの最新調査によれば、Googleの「Chrome」は、「Firefox 3」や、Appleの「Safari」、Opera、IEを、パフォーマンス分野で上回る記録をたたき出した。
ExtremeTechの今回の調査が、Mozillaの最先端を行く、Firefoxのプレリリース(アルファ)バージョンに位置づけられた「Minefield」を調査対象に含めておらず、Minefieldは、Chromeよりも10%高速であるとの評価を得てきたことからすれば、依然としてMozillaこそ、高速ブラウザとしてチャンピオンの座にあるのかもしれないが、GoogleのChromeが、Firefox 3を破ったのは確かなようである。
重要なこととして、ExtremeTechの調査は、以下に説明されているように、単にブラウザ同士のスピードを競い合う、平面的なものではない。
「Chromeのほうが高速である」と主張する、ブラウザのスピード比較テストをチェックする際には、必ず、次のような質問を、いくつか投げかけてみることが大切になってくる。ページの読み込みは、どの時点で完了したことになったのか?どのようなブロードバンド速度で、テストが行われたのか?他にどんなアプリケーションが稼動していたのか?どんなマシンでテストが実施されたのか?
こうした点を考慮して、ExtremeTechは、Flashへの対応、互換性、JavaScriptの実行など、さまざまな要素が関係した一連のテストを通じて、各ブラウザの評価を進めたようだ。結論はどうなっただろうか?
われわれが出した任意の得点評価に基づくと、GoogleのChromeは、スピード王者である。(中略)Googleは、検索とブラウジング利用スタイルに関し、独自に結集した知識を駆使して、Chromeの最適化を進めている。とはいえ、Chromeは、まだ開発の初期段階にある。また、今回の調査からは、Microsoftが、早期に「IE8」をリリースする必要があることも明らかになっている。「IE7」には、互換性の問題に加え、多くの分野で、根本的に遅いという欠点がある。新たに「Firefox 3.1」が正式にリリースされるならば、必ずやFirefoxのスコアも、さらに改善されることだろう。
このすべては、実のところ何を意味するものであろうか?まずは、自分のブラウザ利用スタイルを、よく分析してみる必要がある。最初からシステム上に搭載されていた、デフォルトのブラウザを、まだ使用しているだろうか?もしそうならば、それは考え直したほうがよいかもしれない。その結果として、ずっと快適で実りあるウェブエクスペリエンスが待っているかもしれないからだ。
興味深いことに、(ExtremeTechの調査では)FirefoxとChromeのみが競い合う形となり、IE7およびSafariは、ほとんど良い評価が得られていない。Microsoftは、IE8で、大幅に巻き返すことが絶対不可欠であり、当然ながら、Mozillaも、さらにインタラクティブなアプローチで革新を進め、Firefoxを改良し続けていくことだろう。
だが、いまやGoogleのChromeは、いくつかのPCのデスクトップに、プリインストールして出荷される予定にもなっており、MicrosoftとMozillaにとっては、真剣な戦いを挑まれる形となる。では、この戦いで、最も利益を得るのはだれであろうか?それは、ほかでもない消費者である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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