11月4日にヤフーがベータ版公開したビジネス向けソーシャルネットワーキングサービス「CU」が順調なペースで会員を集めている。
登録ユーザーは11月21日時点で5000人強。当初、半年で1万人を目標にユーザー登録を募る予定でいたが、「オープンから1週間は想定外の伸びを見せたというのが本音」と、サービス企画を担当するヤフー 地域サービス事業部の古賀真紀氏は話す。
とはいえ困ったこともある。CUはユーザー同士がリンクしあいながら、実名や所属する会社、団体名などを登録し、ビジネスに役立つ人脈ネットワークを広げるためのSNSなのだが、何人かの友人を自分のリストに登録したら、何もやることがなくなってしまうのだ。
コミュニティならmixiのほうがにぎやかだ。カレンダーには友人の誕生日くらいしか予定がないし、それだってCUで知る必要はない。一般的なSNSのように日記を書けるわけでもなく、もちろん写真や動画などもアップロードできない。自分のページを誰が訪れたか確認しようにも、足跡機能がない。そう、CUには何もないのだ。
これがオトナのビジネスSNSというものなのだろうか。コンシューマ向けSNS「Yahoo! Days」を軌道に乗せられなかったヤフーだが、CUでは何を目指しているのだろう。サービスのコンセプトや今後の戦略について、ヤフーのCU担当である古賀氏に聞いた。
ベータ版ですので、大きく公表するなんておこがましいという気持ちがありました(笑)。Yahoo! JAPANという大きいサービスのなかで、私たちのサービスは本当に実験的に始まった、言ってみれば「野良サービス」のようなもの。Yahoo! JAPANからは一切リンクされておらず、URLを直入力するか、招待してもらうかしかないです。
5000人ユーザーを集めるまでもう少し苦労すると思っていました。もちろん、ここから1万人まではそう簡単にはいかないと思っております。
このサイトに関してはプロモーションはそぐわないと思っています。CUはリアルの人間関係、ビジネスネットワークをネット上にマッピングするサービスです。要はお持ちの名刺フォルダーをウェブ上に展開させる、ビジネスディレクトリ的なサービスなので、プロモーションして集めた会員登録はその趣旨とは異なったものになってしまうでしょう。
率直にいうと、このサービスで何かするというよりも、ここできっかけを見つけていただいて、リアルでビジネスの機会を作っていただければという思いで作っています。ですので、CUはあくまでも黒子のサービスと私たちは考えています。
さきほど申し上げましたようにCUはウェブ上の名刺フォルダーのようなものです。直接の知り合い同士であるユーザーがつながって、そういったネットワークの中にある名刺フォルダーを検索したり、つながりをたどったりして、自分のビジネスの課題を解決してくれる人材をCUの中で探していただけます。
人脈管理という点でいえば、紙の名刺には賞味期限があると思います。要は部署が変わったり、会社が変わったりすると、紙の名刺というのはいつか期限が切れてしまうかもしれない。それに対して、名刺をCUでマッピングしていると、相手の方がプロフィールを変えていくことで、現在の状況がわかり、連絡をとる手段を確保できるという利用法があります。
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