ビジネスSNSって何すればいいの? ヤフー「CU」担当者に聞く - (page 2)

鳴海淳義(編集部)2008年11月26日 08時55分

mixi目指してない

--このサイトで何か行動するというよりも、人を検索するためのデータベースになると。

 そうですね。このサイトでできることって、本当に何もないのが正直なところです。私たちもそこは一切目指していなくて、たとえばmixiやその他のいわゆるSNSにあるような日記機能、足跡機能などはあえて外しています。

 いまの現状だと、何らかの発端を見つけていただくために使っていただきたいですね。逆にいうと、いま自分が何も困っていません、誰も探していませんという方でも、自分が誰かに探される可能性はあると思います。CUにプロフィールを公開していただいていると、受身の状態であっても自分を探している人いて、それもビジネスのきっかけになるかなと思います。

--いまCUを開くと、一番目立つ位置に「プロフィール検索」と「プロフィール編集」があって、その下にスケジュール、コミュニティがあります。大事なのは自分のコネクションリストとプロフィールですよね。スケジュール、コミュニティは付け足した感じがしますが。

 はい、もう仰るとおりでございます(笑)。プロフィールを公開していただくことと、コネクションリストと、検索が一番大事なところですね。

 正式版ではさらにプロフィールとコネクションリストの機能を強化していきたいと思います。

 公開設定を日本人にあわせ、もっと細かくしていきたいです。いまの公開設定だけで十分だとはまったく思っていなくて、具体的には申し上げられないんですけど、もう少し心配りの行き届いたものにしていきます。

--海外ではビジネスSNSの成功例が見られますが、日本では実名登録への抵抗もあります。ヤフーがビジネスSNSをはじめようと考えた背景は?

 まず海外だとLinkedInという巨大なビジネスSNSがありますが、そこで起こっていることに対して注目しました。日本ではビジネスSNSは流行っていませんが、ただ、現実社会のなかで「誰を知っているか」ということが、ビジネスを加速させているという現実は感じています。

 今回のCUが広がった1つの要因の中にも、初期に招待した方が「誰を知っていたか」にもあると思います。「何を知っているかではなく、誰を知っているかだ」という言葉がありますが、実際、リアルの世界のなかでそういったことは多々あります。

 日本でビジネスSNSがどこもうまくいっていないという現実があったとしても、リアルで誰を知っているかがビジネスチャンスを拡大しているのであれば、それを加速するお手伝いはネット上でできるんじゃないかというところから始まったのが、そもそもの発端ですね。

--日本ではSBI Roboが「SBI Business」というビジネスSNSを運営していますね。

 SBI Businessはユーザー数がもう7万人を突破していらっしゃるようで、SBI Roboさんからしてみると、私たちなんか全然です(笑)。SBI Roboさんが謳っているのは、要は自分のプロフィールをSEOしましょうということです。実際すごいと思うんですけど、自分の名前で検索するとかなり上位に出てくるんですよね。それはさすがだなと。

 逆にいうと、私たちの目指しているところはそこではなくて、ネット上にプロフィールを公開してSEOしましょうというよりも、CUのなかでつながりがあることでその人を評価し、その人のプロフィールを探すことで、ビジネスの発端をつかんでいただくことです。

 あとSBI Businessに登録している方を検索して、なるほどと思ったのが、モデル事務所のモデルさんが、おそらくモデル事務所ごと登録されていらっしゃる。これはすごく正しいですよね。そういう風に不特定多数のところに自分を売り込みたいという方には良いサイトなのかなと思います。

強みの検索と連携も

--CUもヤフー検索と連携して、会員の名前を検索したら必ず1位にその人のプロフィールが表示されるといったことができるのでは?

 そうですね。将来的に可能性としてはありますね。自分がインターネット全体に公開してもいいプロフィールというのを作れるのは検討したいところではありますね。

 たぶんCUに入っていらっしゃる方にもそのニーズはあるんじゃないかなと思っていて、たとえば設定画面で、検索結果に公開するか選べるようにするとか、正式版に向けて検討したいとは考えています。

 自分の名前で検索したときに変な検索結果が出るよりは、自分で作ったプロフィールが出る方がいいですよね。

--正式版の提供時期は?

 2009年以降のなるべく早い時期にとは思っていますが、まずは会員数を増やしていくところですね。時期は未定です。

--収益はどのようにして上げていくのですか。

 マネタイズについては一旦置いて、考えないことにしています。まずマネタイズありきで始めてしまうと、そもそも先ほど申し上げましたように、CUに会員登録していただいた方にメリットを提供するという軸からずれてしまいますので、マネタイズに関しては置いてます。

 ただ将来的には、CUのなかに入っていただいている方にメリットのあるやりかたで、収益をあげる方法を検討していく可能性はあると思っています。

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