Ozzie氏:最大のメリットは、抽象化のレベルをサービスモデルと呼ぶものにまで引き上げた点です。そこでは、モデルベースの考え方に基づいてアプリケーションのそれぞれの部分を定義します。具体的には、緊密に連携して動作する必要がある部分、冗長性のために互いに離れて動作する部分などです。あと、わたしがこれを別のデータセンターで実行したいと思ったとしましょう。もし高い需要があるのなら、期間などに対していくら支払う意志があるかについて、どの程度の高さまでなら構わないか大まかに指定します。おおむねのことを指定した後は、システムが処理すればいいことだと思います。別の仮想マシンを用意し、別の仮想マシンをオフにする際、開発者やオペレーターが手作業でやることは少なくなり、自動的に行われるようになります。
Ozzie氏:たぶん、Microsoftの製品がある限り、われわれはこのビジネスを続けるでしょう。われわれには豊富な独自の資産があり、今後、すべてがウェブに移行することになります。単なるサービスである「MSN」のような純粋なウェブ資産から、エンタープライズプレゼンスとサービスを持つ「Exchange」や「SharePoint」のようなものまで、われわれの資産1つ1つにサービスコンポーネントがあります。ですから、たとえ利己的な理由であっても、われわれには極めて高いスケールのサービスを持つ必要があります。
われわれはエンタープライズ分野の顧客や、これらの顧客のために仕事をしている開発者と非常に良好な関係を築いており、これらのアプリケーションをわれわれのアプリケーションと結び付けることは極めて重要だと考えています。
また、信頼の問題もあります。クラウドコンピューティングは、最終的には、「彼らのせいで失敗した場合、わたしが会社として失わなければならないよりももっと多くのものを失うことになるが、このプロバイダを信じて大丈夫か」ということになります。Microsoftには、投資する能力と最後までビジネスをやり遂げる意志があり、そのような信頼、安心感を開発者やエンタープライズに与えます。
Ozzie氏:わたしがこれまでに学んだことに基づいたまったくの推測ですが、インフラストラクチャは簡単でしょう。特定のシステムに付加された独自のビジネス価値がないもの、電子メールインフラストラクチャ、電話、ビデオカンファレンス、ライブミーティングなどが良い例です。われわれが求められるパフォーマンス目標とコスト目標を達成している限り、インターネットから切り離された別のネットワークを所有する政府環境を別にして、これらは非常に早い段階でクラウドに移行すると思われます。
ビジネスアプリケーションに関しては、リスクプロファイル、業界によって異なる規制環境、顧客データをどの程度オンラインに移行するかなど、企業によってさまざまな理由が存在するため、もう少し時間がかかることでしょう。一部の企業は迅速にクラウドに移行するかもしれませんが。
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