「iPhone」の圧倒的な成功により、Appleとその財務状況を監視している人々は、同社の価値を再評価せざるを得なくなっている。
AppleのiPhone事業が「無視できないほど大きくなった」と述べた、Appleの最高経営責任者(CEO)のSteve Jobs氏は、米国時間10月21日に行われた決算発表の電話会議に珍しく出席し、iPhoneがAppleの財源にどのくらいの売り上げをもたらしているのかを説明した。Appleは初めて、財務状況を補足する資料を使って、iPhoneの売上高が「Mac」の売上高と同様に処理された場合、iPhoneがAppleの収支にもたらしたであろう貢献を明らかにした。その数字は驚くべきものだ。
iPhoneは現在、Appleの事業の39%を占めており、第4四半期中に690万台を売り上げ、46億ドルの売り上げを生み出した(この数字には「Apple TV」の売上高が含まれているが、現実的には、iPhoneの売上高がその数字の大半を占めている)。しかし、Appleが選んだ各iPhoneの売り上げ計上方法により、これらの数字はAppleの正式な四半期決算には含まれていない。Appleが計上した、GAAP(一般会計原則)ベースの第4四半期のiPhoneとApple TVの売上高はわずか8億600万ドルだ。
一体どうなっているのだろうか。これを説明するには、退屈だが知っておく必要のある会計の基礎についておさらいしなければならない。
Appleでは、サブスクリプションベースの会計処理方法を使って、iPhoneとApple TVの売り上げから売上高を想定している。ところで、2007年1月、一部の「MacBook」ユーザーに対し、内蔵の高速Wi-Fiチップのロック解除に1.99ドルを請求するというAppleの決定に批判が噴出したことを覚えているだろうか。Appleが請求を決定したのは、現金が不足していたからではなかった。購入された時点で製品の売り上げからすべての売上高を想定する方針を採った場合、将来におけるアップグレードの価値を定める必要があるという会計規則を満たすために、そうせざるを得なかったからだ。
最新iPhoneのユーザーに対して同じ状況が繰り返すのを避けるため、Appleは同製品の発売後すぐに、iPhoneのすべての売上高は24カ月間で計上されることを発表し、iPhoneのソフトウェアアップグレードを無料で提供できるようにした。ただし、理由はどうだかわからないが、AppleはMacと「iPod」製品ラインにはそのような処理を適用していない。そのため、「iPod touch」ユーザーには、iPhoneユーザーが受け取るのとまったく同じアップグレードに、料金を請求する必要がある。
この会計処理の問題点は、iPhoneの販売に関連する売上高の大半が先送りにされるため、販売されてからかなり時間が経たないと、そこからいくらの売上高および利益が生み出されているのかを投資家が判断するのが難しいということだ。しかも、Appleは、iPhoneの販売に関連するエンジニアリングおよびマーケティングの費用については24カ月間ではなくその費用が発生した四半期で計上しなければならない。
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