ベッドサイドに置いて目覚まし時計として使ったり、朝起きてニュースや天気予報をチェックしたり、FlickrやYouTubeのコンテンツを楽しんだりするなど、多様な使い方ができることで注目を浴びている米国発のガジェット「Chumby」が、10月23日に日本で発売される。日本先行で新色「青」も限定販売される予定だ。
外部の開発者が独自のウィジェットを作成し、配布することもできる。ソーシャルネットワーキングサービスや写真、動画、ゲームなど、すでに30のカテゴリに600以上のウィジェットが登録されているという。好みのウィジェットをダウンロードすれば自分だけのChumbyを楽しめる点も人気の要因となっている。
発売を前に来日した米国Chumby IndustriesのCTO、Andrew "bunnie" Huang氏に、製品のコンセプトや今後の展開について聞いた。
まず我々の会社には何人かの創業者がおりますが、みんなが多忙でして、時間があればウェブブラウザを見るよりも家族やガールフレンドと時間を過ごしたいという希望を持っていました。そのため、時計を見るような感覚で、保有している株式のポートフォリオを見たり、ニュースや天気予報を気軽に見たりできれば、という発想からChumbyが生まれました。
我々はChumbyで生活をなるべくシンプルにしたいと考えています。わざわざコンピュータのところまで歩いていって情報をチェックするのではなく、リビングルームで家族と時間を過ごしながらも、Chumbyで自分がほしい情報を身近に手に入れたいと思ったのが最初の動機です。
まず周りを覆うソフトケースです。通常電化製品であれば放熱してしまいますので、このようなソフトケースを使うというのは難しいのですが、それを実現しました。またChumbyを作ったのは任天堂のWiiが登場する前ですが、Wiiに先駆けて重力センサーを入れたことも特筆すべき点だと思います。
ストレートに革新的な技術を入れたわけではないのですが、ハードウェアに関する情報をすべてオープンにしていることも重要です。ハードウェアの内側の回路の情報や図面もオープンにしてますし、部品のパターンやプラスチックのスキンに関するパターン、3DのCADも公開しています。ハッカーやオタクの方々がそういった情報を入手して、楽しんでいただけるようにしたのも、ひとつ革新的な手法といえるのではないかと思います。
2つの理由があります。1つは個人的なもの、もう1つは会社としてのものです。私は個人的にハッキングを昔からよくやっておりまして、こういったデバイスを開けるのが大好きでした。一番最初に取り組んだのはApple IIだったのですが、当時、Apple IIはおそらく製品に関する図面やコードのリストを公開した初めてのコンピュータではなかったかと思います。
コンピュータを実際に開けるという行為が私は個人的に大好きなのですが、考えてみればハードウェア関係の情報をそのまま公開しないということは誰のためにもならないと思います。将来進化していくときに、下位の互換性をきちんと保証するためには、どちらにしても情報が必要になるわけで、情報を公開しないことは開発を遅らせてしまうことに繋がります。
そしてもう1つ、会社としての理由は、情報をオープンにした方が利用者からさまざまなフィードバックがもらえて、それを迅速に反映できるようになるということです。これにより、ビジネスのスピードが速くなるという利点も生まれます。情報を公開することにより、ベンダーやメーカーとわざわざ機密情報保持契約を結ぶ必要もなくなるので、ここでも時間をセーブできます。情報の流れがよくなりますので、部品のコスト自体も低下させることができるようになり、結果的にビジネスのプロセスを向上させられます。
まずリナックスをカーネルとして使っております。その背後にオープンソースのアプリケーションがありまして、それらを使って音楽の再生や、デバイス管理をしています。Flash Lite 3.0がインストールされています。マスターウィジェットというものがあり、それがコントロールパネルの役割をし、サーバとつながっています。
それらの上にウェブアプリケーションが載っていて、さまざまなウィジェットを運用しております。サーバとの連携のためにサーバコードも入っています。
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