米Yahooは米国時間10月16日、「共通のプロフィール」の基盤を築くべく、ソーシャル対応の新しいプラットフォームへの移行を開始した。
新しくなるプロフィールページでは、ユーザーが、状況更新、Yahooアドレス帳からのコネクション(ソーシャルグラフ上の友人)の追加、そして興味の一覧など、自分のプロフィールを制限付きで変更できる。ユーザーはさまざまなYahooプロパティを通じて、設定の変更、認可の制御、通知の管理が可能である。
Yahooのコミュニティ担当バイスプレジデントであるJim Stoneham氏によると、Yahoo 360(Yahooの2005年におけるソーシャルネットワーク構築に向けた試み)の会員プロフィールは新しいシステムに移行されるが、Yahoo 360がなくなる訳ではないという。
「今回のリリースでデモすることは、そう多くはない。これは、別の物事を起こし、開発者が物事を成すことのできる基盤のリリースである」とStoneham氏は述べた。「膨大なアクセス量を持つプロパティにコネクションが向けられるまでに、この基盤を確実に機能させなければならない。この規模ではビッグバン理論は働かない。新しいOSのリリースを展開しているAppleとそう変わらない」。Yahooは9月、Yahooのウェブページ上で実行するアプリケーションを記述するための新しいソーシャルAPIおよび「Yahoo Application Platform(YAP)」へのアクセス権を開発者に与えた。
Stoneham氏は、しかし、Yahooのソーシャルグラフは「すぐに火が点く」と見ている。今後数カ月で、さらに多くのYahooプロパティのアクティビティフィードがプロフィールページに登場し、その上にホームページやYahoo Mailなどの集約ポイントによりフィードが集約されて、コネクションが可能になる予定である。ユーザーはYahoo Mailで、コンタクト、コネクション要求、およびコンタクトによるアクティビティ更新からのメッセージを見ることになる。Yahoo.comホームページには、ユーザーのコネクションのアクティビティ更新を表示するモジュールが提供される。
さらに、今後数カ月以内に、Yahooはサービスのすべてのページに共通の新しいヘッダを追加して、主要ナビゲーション要素の統一化を図る。Yahooホームページ、MyYahoo、Yahoo Mailへの通常のリンクに加え、新しいプロフィールリンクでユーザープロフィールやコンタクトへのアクセスが可能になる。
いずれ、Yahoo Sports、Yahoo Finance、Flickr、およびYahoo Buzzなどのプロパティは、アクティビティフィード以上にソーシャル対応となる、とStoneham氏は述べた。同氏は、例として、Yahoo Shoppingの製品ページを見ているときに、ユーザーのコネクションからレビューを求める場合を示した。レビューは、投稿されるとユーザーのアクティビティフィードに掲載される。また、レビューアーに関する情報はミニプロフィールを使ってすばやく取得できる。レビューアーが個人的なコネクションでない場合は、プロフィールに掲載されるコンタクト情報はすべてではない。
9月のインタビューの際、Yahooのオーディエンステクノロジグループの責任者Venkat Panchapakesan氏は、Yahoo Mailなどのアプリケーションがデスクトップとモバイルデバイスで完全に機能すること、データの機密性、およびすべてのプロフィールを1つのネームスペース(共通のプロフィール)に変換してソーシャルグラフに火を点けること、というソーシャルグラフの規模的な運営におけるYahooの課題上位3つを挙げた。そのうちの1つの課題は部分的に片付き、2つが残っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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