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企業サイトの滞在時間はこう伸ばす--タイプ別施策を解説 - (page 2)

執筆:平松朋之 アドバイザー:福島慎一 監修:海老根智仁(株式会社オプト)2008年10月17日 11時50分
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 各企業サイトを2軸にマッピングしてみると、下記の通りに、「1人当たりの利用頻度が高い」傾向を持つグループと、「1人当たり1訪問当たりの滞在時間が高い」傾向を持つグループの大きく2つのタイプに分けることができます(図4)。

 そして、それぞれのタイプ別にどのような企業サイトが分布しているのか考察してみると、同じ業種の企業サイトは近しいエリアに分布していることがわかります。

 これを踏まえて、2つのタイプの特徴について考察してみたいと思います。

ウェブサイトの効果の判断指標図4(クリックすると拡大します) データ参照元:Nielsen Online NetView 2008年7月度データ 家庭からのPCによるアクセス

【凡例】
「赤のバブル⇒航空会社系の企業サイト」
「緑のバブル⇒ネットバンク系の企業サイト」
「黄緑のバブル⇒移動通信会社系の企業サイト」
「ピンクのバブル⇒銀行・クレジットカード会社系の企業サイト」
「黄色のバブル⇒電機メーカー系の企業サイト」
「青色のバブル⇒飲料系の企業サイト」
「灰色のバブル⇒通信販売系の企業サイト」

 利用頻度型タイプ

 金融系企業サイトを中心に、ある程度決められたトランザクションが多く行われる業種のサイトは利用頻度が高くなる傾向があります。

 特に、銀行やクレジットカード系サイトでは、定期的に発生する支払いや残高確認、資産運用といった類の取引を行うためのインターフェースとして既存顧客が頻繁に活用していることが想定されます。また、広告出稿やRSS、会員向けメルマガといった施策を積極的に実施することで1人当たりの利用頻度が向上していることが想定されます。

 滞在時間型タイプ

 航空会社系、旅行代理店系、移動通信系のサイトを中心に、調べ物や体験を促すコンテンツが多い業種のサイトでは滞在時間が長くなる傾向があります。

 このタイプでは、比較的に高価な耐久財や旅券や宿といった比較検討要素が高い商材を取り扱っている企業サイトが多いことから、訪問の目的が情報収集中心となるため、滞在時間が長くなる傾向があると想定されます。

 また、エンターテイメント性の高い業種が多く見られることから、コンテンツのリッチ化などにより、ページ当たりの情報量が多くなっていることも要因と考えられます。

 それでは、これらの考察を踏まえて、滞在時間を伸ばすための施策を説明していきたいと思います。

施策1:自社の軸となる強みを伸ばす

 上述のように、2つのタイプに整理してみると、傾向と要因から、業種/展開するサービスごとに企業サイト上で強みとなるポイントが洗い出されてきます。

 例えば、利用頻度型タイプで例に挙げた金融系サイトの場合、そもそも特殊な施策を打たなくても、ウェブサイトの役割上、利用者はトランザクションを目的に何度も訪れるので自然と利用頻度が高くなる傾向にありますが、これが自社の軸となる強みになるわけです。

 そして、この強みを伸ばすための施策として、例えばトランザクション機能のレスポンスやユーザビリティの改善を実施することで、利用頻度の向上が見込めることになります。

 一方で、伸ばすべき軸を間違え、頻度を上げることに特化するあまり、基本機能がお粗末な状態で積極的な広告活動を行うことで、かえって評判を落とし頻度が下降することがあります。このようなことから、まずは、強みとなる軸への施策にリソースを投下し、定期的に指標を観測することが有効であると考えます。

施策2:差別化を図ろう

 強みとなる軸において、競合他社と比べて優位なポジションを獲得することができたら、次は、差別化を図ることを考えていきます。

 例えば、上記の例で考えると、基本機能が充実したところで、次はクロスセルやアップセルを狙うべく充実した情報や動画をコンテンツに拡充することで、より滞在時間が伸ばせる施策を講じていきます。そのようにすることで、さらに優位性の高い独自のポジション(図4の右上方向)にシフトすることができます。

 そして、いずれのタイプにおいても、右上のポジションに向かうほど総滞在時間を表すバブルのサイズが大きくなりますので、このように「一人当たり利用頻度」と「1人当たり一訪問当たりの滞在時間」の2軸を指標としてウェブサイトの運営を行うことで、総滞在時間への貢献することが期待できます。

企業サイトの価値向上の意義

 総滞在時間を向上させることで、果たして売上が上がるのか? という声を多く聞くことがありますが、冒頭に述べたように、短期的な視点でみれば、キャンペーンに比べて結果が出ることはほとんどないでしょう。しかし、自社の軸となる企業サイトの役割を考慮し、滞在時間という指標を活用しながらウェブサイトを運営し続けることによって、ユーザーとのコミュニケーションは適切な方向性に向かっていくと考えます。

 特に、メガメディア化した企業サイトが、すでに持っている圧倒的な規模感に加えて、個人とのコミュニケーションをより深めることによって引き起こインパクトについては、引き続き見守っていくとともに期待していきたいと思います。

平松朋之株式会社オプト
営業本部 営業8部 グループリーダー

学習院大学経済学部経済学科卒業。同年、外資系ERPパッケージベンダーへ入社。2006年、同社を退職後、株式会社オプトへ入社。入社後から現在に至るまで営業部にて人材/金融/飲料/BtoB/複数業種を担当。現在は金融業種をメインで担当しグループリーダーとして奮闘中。ビジネスとプライベートを綴ったブログ「なんくるないさ」も連載中。

福島慎一株式会社オプト
経営戦略部

外資系光学機器メーカーを退職後、渡米。カリフォルニア州立大学サクラメント校を卒業後、2005年1月(株)オプト入社。マーケティング部配属となり、ネット広告全般のプランニングや調査など経験。現在、経営戦略部に所属し、海外の市場動向を探る。

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