東芝(西田厚聰社長)は、冬商戦向けに液晶テレビやDVDレコーダーなどの新製品を投入、販売拡大に強気の姿勢をみせている。なかでも、液晶テレビ事業に関しては今年度(2009年3月期)下期に台数ベースで25%の国内マーケットシェア獲得を狙い、さらには 2010年までにグローバルシェア10%以上を目指す。これにより、“トップランナー”になることを狙っている。
「液晶テレビは、国内マーケットで25%のシェアが見えた」。同社の執行役上席常務である藤井美英・デジタルメディアネットワーク社社長は、こう断言する。北京五輪では映像需要が予想に反して伸びなかったといわれているなか、同社は「7月以降、販売が順調に推移している」という。ワールドワイドでは、「今年度にシェア8%を見込んでいる」としており、2年後の2010年には10%以上を獲得する方針を示している。
同社が液晶テレビ事業で強気の姿勢をみせているのは、「当社の製品は安価で操作が簡単ということを消費者が理解してくれている」との判断が背景にある。消費者が映像関連機器に求めるニーズは多様化しているものの、「結果的には『きれいに見える』、映像コンテンツを『一つにまとめられる』『いつでも取り出せる』の3テーマに集約できる」。ユーザーニーズを徹底的に調査し、冬商戦向けの新製品には、高画質や操作性、映像コンテンツ管理の簡便性などを追求した。
液晶テレビの冬商戦向けラインアップとして、同社は6シリーズ20機種を揃えた。上位機種には、新開発の超解像処理LSIを組み込んだ高画質映像処理システム「メタブレイン・プレミアム」の搭載で、地上デジタル放送やDVDソフトの映像高密度化を図っている。ハードディスク録画対応モデルに関しては、上期 7モデルから下期に15モデルと約2倍に拡充。ユーザーは、テレビ番組の録画に対してライブラリ的な使い方よりもタイムシフトを求めていることからラインアップを広げた。
DVDレコーダーの新製品については3機種を投入。ハードディスクレコーダーを1機種、DVDプレイヤー 1機種もそれぞれ発売する。かつて、レコーダー関連でHD DVD事業の撤退を表明したため、販売面で他社と比べて劣勢との見方も強いが「よほど貴重な映像コンテンツでない限り、ユーザーはディスクに保存しない。そういった点では、製品に次世代光ディスクを搭載していないことは販売面に影響しない」という。そのため、BD(ブルーレイディスク)を採用することについては、「儲からないと判断しているため、現段階では採用する気はない」と言い切る。
※週刊BCN 2008年9月29日付 Vol.1253より転載
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