CREASはHDリアリティエンハンサーで8ビットの映像情報を解析することで、14ビットの映像に再構築して、ノイズを軽減し、必要なら輪郭を強調して補正する。SBM-VはHDリアリティエンハンサーが作り出した14ビットの映像信号を階調補間技術により、損なわず薄型テレビに出力する技術だ。
さらにXシリーズには同社の薄型テレビBRAVIAシリーズが搭載する高画質回路のDRC-MFv3を搭載する。DRC-MFv3はCREASの前処理として配置され、MPEGノイズやI/P変換により発生する画面のチラツキ「ラインフリッカー」の軽減を行っている。
CREASとDRC-MFv3を搭載したBDZ-X95と、前モデルの「BDZ-X90」を使って映像を比較した。引きで撮影した街並みや公園の木々などで発生するざわついた感じをX95は軽減させており、その違いを実感できた。比較するとBDZ-X90の方がギラギラした印象を受け、BDZ-X95の方がしっとりとして落ち着いている印象を受ける。このテストはBlu-ray Discでの再生で行った。残念ながら環境がそろっておらず、テレビの内蔵チューナーとの実力比較はできなかったが、もしBlu-ray Discと同程度の再生能力を備えているならば、かなり期待できると感じた。
今回の新モデルではXシリーズにのみ、高音質化対策が施されている。天板やシャーシは新設計にして強度を高めたほか、電源基盤の銅箔の厚みを2倍にし、電気抵抗を減らしている。
さらに基盤自体をレジスト処理することでノイズの原因となる不要な静電容量が発生しづらくなっている。これにより電源基盤から発生するノイズだけでなく、ケーブルを伝って入ってくる伝導ノイズを軽減している。
映像出力の要であるHDMI部も大幅に改善。HDMIトランスミッターの設定を見直し、分解能、情報量、声の質感を改善した。ローカルレギュレーターと大容量コンデンサーを搭載することで、サラウンド再生時の空間情報やスピーカー間のつながりを向上させている。
HDMIの入出力に専用のノイズフィルターを搭載することで外部からの伝導ノイズをシャットアウト。長いケーブルでの接続が必要なプロジェクターでの利用時に大きな効果が得られる。その他にもアナログの入出力回路をブラッシュアップし、はんだの材質までこだわり高音質を追求した。
Xシリーズの音響開発チームは、AVアンプの開発者と膝をつき合わせて最後まで高音質にこだわったという。特にロスレス再生についてはAVアンプ「TA-DA5300ES」「TA-DA5400ES」と組み合わせることで、最大限の効果が得られるようになっているという。筆者はTA-DA5300ESとセットでBDZ-X90とBDZ-X95で聞き比べをしたが、明らかにBDZ-X95の方が高音質だった。
例えばホールで会話するシーンでは、残響音の広がりやセリフの明確さなどがずっと優れている。サラウンド再生では、X90だと水平方向での広がりしか感じないが、X95はさらに高さまで感じられた。画質よりも音質の方が格段に進歩していると感じた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手