シドニー発--当地で開催のMicrosoft主催のTech.Edカンファレンスで講演した専門家たちの見解によると、Microsoftの次世代ウェブ技術である「Silverlight」最大のライバルは、Adobe Systemsの「Flash」ではなく、「JavaScript」だという。
MicrosoftのシニアプログラムマネージャーであるScott Hanselman氏は現地時間9月5日、カンファレンスに集まった聴衆を前に「今後、JavaScriptの処理速度は向こう18カ月間に100〜1000倍向上し、GoogleやMozillaの人々がわれわれをせっついてくるだろう」と述べている。Googleは2日に、より高速なJavaScript技術を搭載したブラウザ「Google Chrome」をリリースしている。
コンサルティング会社Cap Geminiのシニアコンサルタント、Jonas Follesø氏もHanselman氏の意見に同意し、JavaScriptは今後も高速化し続け、Chromeはいまよりも「大幅に」高速化していくだろうと指摘した。
Follesø氏によると、同氏は、人々がブラウザ内でJavaScriptを使ってできることはすでに限界に達したと思うと、必ず「優秀なJavaScript作者」が現れて、さらにどうすべきかを教えてくれたという。
Follesø氏は、「われわれが、アプリケーションにSilverlightとJavaScriptのどちらを使うかは申し上げにくい」とした上で、「JavaScriptはいずれ、SilverlightにとってFlashよりも手強い競争相手になるだろう」と語った。
その後、聴衆の一人がパネリストの専門家らに、JavaScriptが「大幅に高速化」された今、同言語についての書籍を買いに行くべきか尋ねた。
この質問に対し、MicrosoftのプログラムマネージャーであるHarry Pierson氏は、「JavaScriptは大半の開発者にとって大変特殊な言語」だと思う、と述べた上で、より高度な開発を行い、必要ならばそれをJavaScriptにコンパイルするとより面白いだろう、と語った。
しかし、Hanselman氏は異なる見解を示した。同氏は、たとえJavaScriptが「変わっていて、風変りな言語」だとしても、オブジェクト指向のプログラミングは可能だと語った。同氏は、「わたしが『Netscape 4』で使用し、気に入らなかったJavaScriptは、今のJavaScriptとは異なる」と述べ、「そういうわけで、わたしは多少JavaScriptに関する本を購入した方がいいと思う」と語った。
Follesø氏は、仮に高速化したJavaScriptが主流になったとしても、特に、「楽しい」Web 2.0アプリケーションのブームが落ち着つく時には、企業ではSilverlightが大きな存在になっているだろう、と指摘した。「イントラネットについては、ユーザーが同じユーザーエクスペリエンスを期待している場合、それをHTMLとJavaScriptで構築するのは言うほど容易ではない。そこで、Silverlightがはるかに容易な代替手段となりうる」(Follesø氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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