Googleの「Chrome」がMicrosoft、Firefox、現在のインターネットの運命にとって何を意味するのかを取り上げている記事は多い。しかし、ウェブ新興企業にはどのような意味があるのだろうか。わたしが考える新興企業にとっての6つの意味は以下の通り。これらは、Chromeが宣伝通りならばのことであり、本当にもしもの話である。
1. Chromeは現行のブラウザにとって、「DOS」に対する「Windows」のような存在だ。23年前、Microsoftは、ばらばらの世界に秩序を提供することで、単なるソフトウェア会社の1つからMicrosoftに向けて歩み始めた。当時は、パーソナルコンピュータでアプリケーションを実行することすらできなかった。基本的には同じことを実行するが、少しだけ異なるOSが多数存在していた。アプリケーションを作成した場合、OSに合わせるだけではく、場合によってはOSの各バージョンにも合わせる必要があった。聞き覚えのある話ではないだろうか。
Googleは、金銭とイデオロギーの両方の理由で、Chromeをウェブアプリケーションの標準化されたオペレーティングシステムにすること、ウェブアプリケーションとネイティブなデスクトップアプリケーションとの区別をなくすことを目指している。つまり、Chromeがウェブアプリケーションをスタートメニュー、Dock、デスクトップから呼び出せるアプリケーションのような存在に変えるということだ。要するに、Chromeは、メモリのパーティショニング、アプリケーションプロセスの管理などのOSの主要ジョブを引き受けることになる。Chromeをプラットフォームとして使用すれば、ウェブを主な感染手段として利用するウイルス、マルウェアに関する不安が解消されるなど、著しい利点があると、Googleは述べている。
今日、ウェブアプリケーションにとっての最大の障害は、ブラウザをクラッシュさせるほかのウェブアプリケーションだ。Googleはこれに終止符を打とうとしており、Chromeの機能、優先順位はこの目的に沿っている。
2. ChromeはJavaScriptをゼロから再構築している。現在のウェブアプリケーションの主な難関はJavaScriptだ。当初、かわいらしい小さな音を奏でる手段程度にすぎなかったJavaScriptは、「Ajax」プログラミング、そしてprototype、script.aculo.us、extjsのようなすばらしいJavaScriptライブラリによって、その能力を最大限に発揮するようになった。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」