トリプレットゲートでは、ノキアの携帯電話向けに接続アプリケーションを提供したほか、クウジットとの提携ではMac OS向けの接続アプリケーションを提供した。さまざまなデバイスでの接続を容易にすることで、ユーザーの幅をさらに広げたい考え。今後はSDKの整備次第でiPod touchやiPhoneなどへの対応も進めていく予定だ。
また、その一方で販売チャネルの拡大にも積極的だ。6月には東京都と千葉県でコンビニ「サンクス」を展開するシー・ヴイ・エス・ベイエリアと販売提携を実施。同社無線LANサービスのプリペイドカード「@wigカード」のコンビニ販売を開始している。今後はプリペイドカードの販売にとどまらず、無線LAN事業者と組み、コンビニ自体のホットスポット化も検討している。「コンビニに携帯ゲーム機を持っていくという使い方も想定できるため期待は大きい」(池田氏)
しかし最近ではイー・モバイルが提供するHSDPAの通信サービスも注目を集めており、利用個所がホットスポットに限定される無線LAN以上のニーズについて疑問視する声がないわけではない。これに対して池田氏は「無線LANと携帯電話は補完しあうもの」と状況を分析している。
もともとNTTドコモでネットワークの研究をしていた池田氏は「そもそも第三世代携帯電話(3G)のネットワーク自体がデータ通信のために設計されたものでない。キャリアのトラフィックが限界に来ている」と指摘。キャリアとはトラフィックを分かちあうという意味でも協力体制を取っていけると説明する。実際、ヨドバシカメラではイー・モバイルやウィルコムのユーザー向けに特別プランを提供しているが、売れ行きは好調だという。
同社はまた、個人向けに無線LANサービスを提供する一方で、無線LANのID・パスワード組み込み事業も展開している。ニコンのコンパクトデジタルカメラ「COOLPIX S51c」や東芝の「GIGABEAT T802」の無線LAN接続機能は同社が手がけたものとなる。法人向け事業は現在同社売り上げの10パーセント程度だが、今後はその割合を増やしていく予定。
第四世代(4G)の通信方式についての話題も増えてきたが、将来的にはプラットフォームを無線LANのみにこだわるという考えもないのだという。「MVNOの体制が整えば、HSDPAだけでなく将来的にはWiMAXやLTEなどのプラットフォームにも対応していきたい」(池田氏)と語る。そのほか、無線LANを元に位置情報を取得し、広告やコンテンツビジネスとの連携していくことなども検討中だという。
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