ジョブズ氏引退後のアップルを考える

文:Jason Perlow(Special to CNET News.com)
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル、編集部
2008年06月23日 07時00分
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 このブログ記事がいかに無神経で時期尚早かについて苦情メールを送信される前に、そもそもこのようなことを書くべきかどうか悩んだことを、まず言わせてほしい。わたしが相談した業界仲間は、抵抗はあるが、格好の話題だと述べた。

 Steve Jobs氏は今もなおAppleの最高経営責任者(CEO)であり、今もって健在であり、非公式には終身独裁者だ。しかし、あとどのくらいJobs氏がAppleで積極的な役割を果たし続けられるのか考えているのは、わたしだけではないはずだ。わたしが最初に考えたわけでもないだろう。

 よく言われているような、Jobs氏の膵(すい)臓がんが再発したかどうか、ウィップル手術からの回復が長引いていないか、Appleが現状を隠していないかなどについて、理論立てて述べるつもりはない。それよりも、Appleが有効な移行戦略を立てているのか、最悪のケースに備えて十分に準備を整えているのかどうかについて検討しようと思う。Jobs氏のいないAppleはどのように見えるのだろうか。

 カリスマ的な創設者を中心とし、彼らがいなくなった後の有効で長期的な移行、ミッション戦略を形成できない企業は、重大な結果を被ることになる。実例を挙げよう。1985年から1997年まで、Jobs氏はAppleを追放され、NeXT、Pixarに在籍していた。その後、10年以上指導者を欠き、忘れ去られる瀬戸際にあったAppleの救世主として復帰した。

 業界には、移行管理の甘さを示す実例がいくつもある。Microsoftは、Bill Gates氏が会社の日常業務に携わるよりも、個人的なプロジェクトにもっと時間を割くことを決定したとき、今後の展望やミッションで大きな問題にぶつかっているように見えた。Steve Ballmer氏はMicrosoftが設立された日から後継者としての教育を受けてきたといわれているが、「Windows Vista」という事故からはまだ回復していないようだ。Michael Dell氏は、3年間のKevin Rollins氏率いる経営体制の後、市場シェアの低下を受けて、会社建て直しのために復帰せざるをえなかった。また、Donna Dubinsky氏とJeff Hawkins氏が決別した後、完全に回復できないほど衰退したPalm Computingのことも忘れてはならない。Dubinsky氏は今も役員を務めているが、Palmは過去の栄光を取り戻してはいない。

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