「iPhone」第2章--過去から学んだアップルが見せた変化 - (page 3)

文:Tom Krazit(CNET News.com)
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル、編集部
2008年06月13日 07時00分

 つまり、Appleは、5月中旬から7月11日までの約2カ月間、iPhoneの出荷をほとんど行わないということだ。ちなみに、AT&T Storeの在庫が切れるには2カ月以上かかった。Appleの6月末に終了する第3四半期のiPhoneの出荷台数のより正確な数字については、7月のAppleの業績発表でわかるだろう。しかし、いずれにせよ、数字には大きな隔たりがあり、サプライチェーンの混乱につながるだろう。

 AppleのワールドワイドiPod&iPhoneマーケティング担当バイスプレジデント、Greg Joswiak氏が、Jobs氏の基調講演後のインタビューで、Appleの1000万台の出荷目標を再び述べたため、Appleが撤回することはなさそうだ。Appleが自信を持てる主な理由は2つある。ひとつは、3Gと値下げの両方により、iPhoneがすでに販売されている国でこれまで傍観していた潜在的な顧客を刺激すること、もうひとつはカナダ、オーストラリアといった大きな市場を含む、合計70カ国でiPhoneを正式に利用できるようになるということだ。さらに、Jobs氏は、6月9日の基調講演後、CNBCに対し、有望な市場である中国が意外に早く加わる可能性があることをほのめかした。

より高速なデバイス、発売国の増加、そしてビジネスモデルの変化は、AppleがiPhoneの販売目標を達成する助けとなるだろう。 より高速なデバイス、発売国の増加、そしてビジネスモデルの変化は、AppleがiPhoneの販売目標を達成する助けとなるだろう。
提供:James Martin/CNET News.com

 成功した数よりも失敗した数の方がはるかに多いが、Appleがまったく新しいビジネスを開拓していこうとする様はいつ見てもおもしろい。多くが失敗する一番の理由は、最初の経験から学ぶことを忘れているか、過去の成功からよく知っていると思い込むためだ。

 スティーブノートでは明言しなかったかもしれないが、Appleは現在、過ちから学び、慎重を要するときはビジネスモデルを調整する意志があることを示した。Appleは、iPhoneの発表以来これまで、すばらしい製品を作り、常に改良を加えるという難問に賢明に取り組んできた。そして今、ビジネスモデルを変更し、iPhoneを本当の意味でAppleの事業の三本柱の1つにしようとしている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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