では、さっそく装着してみよう。通常、オンイヤータイプのヘッドホンは、耳にうまく密着せず、浮いてしまうような感覚になることが多い。または、クランプ圧が強すぎて長時間着けていると耳が痛くなることもあった。しかし、QuietComfort3は150gと軽量、かつイヤーパッドが耳にやさしくフィットするため装着感が抜群だ。さらに独自のイヤーパッドが、中高域のノイズがイヤーカップへ侵入するのを効果的に軽減してくれる。
バッテリーは充電式。右のハウジングにはめ込むようになっている。連続使用時間は約20時間。コンパクトな楕円形の充電器もかわいい。また、本体と付属品のすべてを収納できる高級感のあるキャリングケースも付属する。ハウジングは90度回転でき、キャリングケースにコンパクトに収まる。海外へ渡航するときには重宝するだろう。
次に、実際に使用してノイズキャンセリングの効果を調べるために、地下鉄に乗ってみた。地下鉄の駅で装着し電源を入れると、まず大きな空調音が消える。電車がホームに入ってきたときにも、いわゆるゴーという音はなく、上と下がカットされ、軽く音がする程度だ。
通常のノイズキャンセリング・ヘッドホンは、ある周波数からピタッと切りました!という感じで、無響室に入ったかのような不自然な感じがあるのだが、QuietComfort3はすごく自然な感じで、不快な音だけを小さくしてくれる。電車が駅に入ってきたときの、低い轟音と、甲高いブレーキ音を消しておきながら、到着アナウンスだけはきちんと聴こえる。不自然な無響音の部屋に取り残されているのではなく、外部から必要な音は入ってくるので、ナチュラルに静かな場所にいるかのように、着けっぱなしでも疲れない。
そのまま乗車し、音楽をかける。普段の3分の2程度の音量でも充分快適に聴くことができる。面白いのは、地下鉄で電車がすれ違うときだ。轟音がほとんど聴こえず、向かいを電車が通過するのに、音がせず不思議な感じだ。しかし、次の停車駅のアナウンスだけは聴こえてくる。ヘッドホンを使って、ガンガンと大ボリュームで音を聴いている人が多いが、QuietComfort3は、音楽を小音量で聴いているときこそ真価を発揮する。大騒音の中でも、必要な音は聴こえて、不快なノイズは聴こえなくなる。まるで、静かなリビングでスピーカーからの音楽を聴いているかのように感じられるのだ。
普通のヘッドホンでもフルボリュームで聴いていたら、音量を下げたり、ヘッドホンを外したりしないと車内アナウンスは聴こえない。かといって、音を小さくすると、外部の音と音楽が混じり合ってよく聴こえなくなる。QuietComfort3は、音楽のボーカルは耳元でささやいているかのように近くで聴こえるのに、外部からも人の声だけはきちんと聴こえてくる。音楽を聴いている間に、駅を乗り過ごしてしまうなんて失敗はしなくなる。
オフィスでもノイズキャンセリングの効果が高いという話は聞いていたので、仕事中にも使ってみた。正直、実際に試すまでは、オフィスでノイズキャンセリングなんて必要ないとのでは?と思っていた。だが、実際に使ってみたら、すっと周囲の音がしなくなったので驚いた。深夜、自分の家にいるときのようなシンとした空間ができあがる。これまでは、空調音を消すことがそんなに重要なことかと疑問を感じていたのだが、空調音が聴こえなくなるだけで頭がスッキリしてくる。今まで、オフィスでも知らず知らずのうちに大きなストレスを感じていたのだと実感させられた。
もちろん、外部からも必要な音だけはよく聴こえる。音楽のボリュームを上げ過ぎない限りは、オフィスで上司が声をかけてきたり、電話が鳴ったとしてもちゃんと分かるから安心だ。一度この空間の心地よさを感じてしまうと、ヘッドホンを外す気がしなくなる。ケーブルは着脱式だから、音楽再生ではなく、ノイズキャンセリング機能をケーブルレスで利用できるのも嬉しい。
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