オープンソースウェブブラウザ「Firefox」のメジャーアップデートを心待ちにしている愛好家は、おそらく6月中に「Firefox 3」最終版の入手を期待できそうだ。
Mozillaのエンジニアリング担当バイスプレジデントMike Schroepfer氏は、米国時間5月21日に行われたインタビューで、「6月中には最終版を出荷できるように最善を尽くしている」と語った。10年以上前にAOLからのスピンオフで誕生したMozillaは、Firefoxの開発プログラミングプロジェクトを監督している。
Firefoxの強みの1つに、何百もの幅広いアドオンのコレクションが挙げられるものの、各プログラマーが手がけるプロジェクトを、Firefox 3との互換性を持たせるべく更新することが関係してくるため、アップデートには多くの時間がかかることにもなる。それゆえにMozillaは、数日前にリリースされたばかりのFirefox 3のリリース候補第1版(Release Candidate 1:RC1)をインストールした150万人のユーザーからの、フィードバックを受け取るのを、真剣に見守っているところでもある。
Schroepfer氏は「現在われわれは、アドオンの更新が行われるのを待っている段階にいる。フィードバックを集めるために、しばらくはリリース候補版の発表を続けたい」と述べている。
さらなるリリース候補版が発表される可能性もあることを、Schroepfer氏は明らかにしている。「Firefox 2」では、3度にわたってリリース候補版の発表が行われた。Schroepfer氏は「以前よりも順調に進んできてはいるものの、急ぐ必要はない」と語った。
リリース候補版は、Windows、Mac OS X、Linux向けダウンロードが用意されている。リリース候補版の試用を検討しているならば、まず最初にリリースノートに目を通し、とりわけトラブルを引き起こしかねない既知の問題について把握しておくようにお勧めする。
Mozillaの立ち上げには何年もかかったものの、Firefoxは、その最大のライバルとなるMicrosoftのInternet Explorer(IE)から、かなりの市場シェアを奪ってきた。まだIEが市場を支配していることに変わりないのだが、Firefoxは、次のような分野で、ブラウザ戦争に再び火をつける役割も果たすこととなった。今ではMicrosoftは、IEの開発へ、より多くのリソースを注ぎ込むようになっている。Appleは、Windows対応のSafariを投入してきた。さらに、AppleとGoogleは、オープンソースの「Webkit」ブラウザエンジンプロジェクトに注力するようになった。
インターネットが、よりリッチでインタラクティブなウェブ2.0のページへと移行し始めるにつれて、ブラウザの重要度も増してきた。それが理由で、パフォーマンスも懸案事項となってきた。例えばブラウザ上では、オフィスアプリケーションの「Google Docs」や、オンライン写真編集ツールの「Picnik」など、多大のパワーを要求するサイトの利用時に、膨大なJavaScriptコードが実行される必要がある。
Mozilla Foundationは、長年に及ぶ成長を遂げてきた。現在では、ウェブブラウザを取り扱うMozilla Corporation、メールクライアントの「Thunderbird」を取り扱うMozilla Messagingという、2つの子会社が設立されるに至っている。
Schroepfer氏は、市場シェア統計と、アップデートのためにMozillaサーバをチェックするFirefoxブラウザの実数に基づいて、現在のFirefoxユーザー数は、約1億7500万人に上ると見積もっていることを明らかにした。
Firefoxは、2月にはダウンロード件数が5億の大台を突破し、現在のダウンロード総数は、5億5600万回以上に達している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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