モバイルノートPCといえば、持ち運ぶために拡張性も犠牲にしている印象が強かったが、SS RXは拡張性についても十分だと感じた。本体にUSBポートは3個あり、よくつながれているマウス、USBメモリーで2カ所USBポートを使っても、さらに1個接続できる計算だ。USBポートは左右に分散されているので、マウスは右側、USBメモリーは左側といった使い分けも可能。また、IEEE 1394ポートが付いてることもポイントだ。コンパクトなノートPCでは省略されることもあるが、ビデオカメラからの画像取り込みをはじめ、必要とされる場面も少なくない。
本体右側には外部VGA端子も装備され、プロジェクターなどとの接続もすぐできる。自分の机に置いた液晶ディスプレイとのマルチモニターなんてことも簡単だ。筆者の環境もマルチモニターで使用しているが、計算した表やグラフをサブのモニターに表示して参考にしながら、メインのモニターでは資料をまとめていく……そんな設定で使っている。
また、デスクに戻った際、周辺機器との接続をまとめて一気に行なうオプションも用意される。スリムポートリプリケーターは、外部ディスプレイ、LAN、USBなどの接続をまとめて行なえるもの。本体にはないDVIポートが使えたり、電源までまとめて接続できる優れものだ。オフィスに戻って「カチャ」っとリプリケーターに置けば、一瞬で多機能PCに早替わりもすぐできる。
マルチモニターとして使っていると、少なくとも電源、LAN、モニター、USB数本と、これが一瞬で脱着できるのだから、便利この上ない。周辺機器の買い足しにもちゅうちょがなくなった。
スリムなサイズや軽さに目がいくSS RXだが、キーボードについては、決して小ささを感じることはなかった。キーピッチは19mmで、左右方向だけが長く、上下方向がつまるという不自然さもないため、この機種を使うための特別な“慣れ”を必要としないからだ。
キー配置も自然で、コンパクトなノートPCではよく見られる、左端のキーの横方向の圧縮も最小限に抑えられている。特に“-”の左右幅の圧縮が少なめなところは日本語入力では重要。そのほかにもデスクトップPCと同じCTRLキー、半角/全角キー、ESCキーの配置は、この機種のための慣れを必要とせず、デスクトップPCと併用として使う場合でも、操作間違いが少なくなる。
ノートPC独自についている「FN」キーも、CTRLキーより内側にあり、CTRLキーの操作感を犠牲にしていない。一部ユーザーしか恩恵はないかもしれないが、CTRL、ALT、SHIFTが左右にあることも便利で、ビジネス向けやセキュリティ重視の場面で多用するCTRL+ALT+DELのキーの3つ同時押しが、片手でできることもポイントが高い。
実際、ノートPCのキー配置は限られたスペースの中に、多くのキーを詰め込むために配置は独特のものになりがちだが、SS RXはそれがない。ノートPCを選ぶ際には、そういった点にもぜひ注目したいところだ。
この前編では、おもに社内で使用する際の目線でSS RXをレビューしたが、やはりこの軽さと薄さで、メインマシンとしてこれだけの長時間駆動が可能なスペックには驚く。持ち歩けるビジネスノートPCとしては理想的だ。次回の後編では、モバイル用途での通信環境をメインにレビューしていきたい。
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