Advanced Micro Devices(AMD)では消費者がゲームコンソール機を選ぶようにゲーム用PCを買えるようにする構想だ。
「AMD GAME!」はゲームPCにロゴを付け、これらのロゴの付いたPCについて最低要件を設定するものである。このアイデアによってゲーマーは「Xbox 360」ゲーム機を選ぶようにゲームPCを選べるようになる。
AMDの仕様の対象はあくまでメインストリームのPCゲーマーであり、必ずしもハイエンドのゲームマニアではない。当初はこの仕様の対象となるのはデスクトップ機のみだが、ノートPCの要件も後日導入する。
このロゴによる販売システムを採用する再販業者には、宏碁(エイサー)、Alienware、iBuypower、Velocity Microなど10社余りが名を連ねている。MicrosoftとLogitechもAMD GAMEをサポートする予定だ。
AMDにはゲームPC戦略を再び導入する十分な理由がある。PCゲーミングの分野では全世界で2億6300万人のゲーマーがおり、全世界のPCゲーム(ソフトウェア)の2008年の売上高は96億ドルと推測されている。しかし、より重要なことは、AMDがATIの買収によって、x86 PC市場でCPU(中央演算装置)とディスクリートのハイエンドGPU(グラフィック処理装置)の両方を提供する唯一のチップメーカーという独自の地位を得たことである。
そしてAMDはゲームPC市場でより大きな存在感を獲得する必要がある。Falcon NorthwestやVoodooといった再販業者が販売するほとんどのゲームPCにはIntelのCPUとNvidiaのGPUが搭載されている。
「われわれはユーザーにバランスの取れたソリューションを提供するという意味で十分な役割を果たしていない」とAMDのプロダクトマーケティングマネージャーであるBrent Berry氏は述べる。ここで「バランスの取れた」とは、CPUとGPUのパフォーマンスが厳密に釣り合った、コスト効率の高いソリューションという意味である。Nvidiaではこれを「最適化されたPC」と呼んでいる。
ロゴは「ゲーム用途として特に検証済みであるソリューション」に消費者を導くものになるとBerry氏は述べる。
標準的なAMD GAMEの「ユーザー体験」がターゲットとするのは、毎秒30フレームに対応した1280x1024ピクセルの高品位(HD)解像度を持つシステムであるとBerry氏は説明する。一方、「AMD GAME! Ultra」では、1600x1200ピクセルと毎秒30フレームの「HD以上の」システムとなる。
「北米では消費者の60%がPCをビデオゲームに使用するつもりだと述べているが、実際にユーザーがPCで何をしているかを調べてみると、80%が実際にはPCでゲームをしていることがわかる」(Berry氏)
AMD GAMEの最低要件を満たす構成はAMD「Athlon 5600+ X2」プロセッサ、ATI「Radeon HD 3650」グラフィックス、「AMD 770」チップセットまたはNvidia「nForce 500」シリーズチップセットである。
一方、AMD GAME Ultraの最低要件を満たす構成は、「Phenom X4 9650」プロセッサ、ATI「Radeon HD 3870」グラフィックス、AMD 770チップセットである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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