三菱電機は5月15日、執行役社長の下村節宏氏出席のもと、2008年度の経営戦略説明会を開催した。業績見通しとともに、今年3月に発表した携帯電話事業からの撤退についても語った。
2008年3月期(2007年4月〜2008年3月)の売上高は4兆498億円、営業利益は2672億円となり営業利益率は6.6%であった。これにより三菱電機は4年連続の増収となる。2008年度に関しては、「サブプライローン、円高進行、資源の価格高騰など心配事はいくつかあるが、売上高4兆500億円、営業利益2680億円と予想している」(下村氏)と話した。
セグメント別に見ると、重電システム、産業メカトロニクス、家庭電器の3事業で売上高が1兆円を超え、営業利益は過去最高となった。一方携帯電話事業の不振から悪化したと見られる情報通信システム事業に関しては、市場撤退により、2008年度は減収、増益になる見込んでいる。
「携帯電話事業の終息は大変残念に思う。現在、市場では端末が飽和状態となり、販売台数は減少している。独自の製品力で展開することが難しい事業領域だった」とし、携帯電話事業に従事していた700人の人員に関しては「新分野へと再配置し、それぞれで活躍してくれることで、今後の事業の弾みにしていく。カーナビゲーションなど成長市場にある製品では、今までエンジニアの数が制限されていることで、お客様の声に完全に応えられていない部分もあった。そうした分野に人員を配置することで、(ニーズに)応えていきたい」(下村氏)と今後の展開を話した。
同社の成長戦略の1つとしては「グローバル事業推進体制の強化」を挙げており、インド、ベトナム、ロシアといった新興市場に注力。また、同社が100周年を迎える2021年を目標年とした長期ビジョン「環境ビジョン2021」で掲げている環境経営、環境関連事業においては、2015年までの中期計画で、売上高年平均8%の成長を予測。太陽光発電システムやヒートポンプ応用事業などを推進することで、「今後の成長の軸にしたい」(下村氏)とした。
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