MacDonald:端的に申し上げまして、我々にはそういった壁を乗り越える製品を提供する準備があります、差別化を実現できるような機能で、しかも真似しにくいものを手掛けています。しかし、我々が今そういったことを明かしてしまえば、それだけ相手はそれを真似する時間の余裕ができてしまいますので、あえてここではリストアップしたくありません。
しかし検索というものはまだ始まったばかりです。今まではある企業が1社で検索ビジネスを支配していたため、多くの変化は起きていませんが、検索を野球に例えるならば、まだ2回に入ったばかりです。イノベーションに関してはまだまだこれから多くの道程が考えられます。ですから、いろいろな意味で真似されないような多くの違ったエクスペリエンスを提供することができると考えております。
我々はすでに多くの差別化された機能を展開しておりまして、競合他社がそれを実現するのは困難です。例えば、画像検索に関しては、インフィニットスクロールバーと言って、無限にスクロール可能なバーで、いちいち次のページをクリックしなくても済むような機能を提供しております。
また、動画検索のスマートモーションサムネイルという機能では、カーソルをサムネイルの上に置くと動画のプレビューをご覧になることができます。実際にクリックしてそのビデオを長々と見るよりも、効率よく動画の中身を見ることができます。これは非常に革新的な機能の1つです。
Sham:キーワードは、入力の方法としては、これからも依然として支配的なやり方になるだろうと思います。というのは、人々は非常に若いうちから、自分を表現するために言語やキーワードを学ぶわけです。しかし、それは自分の意図を示す唯一の方法ではないと思います。デモをお見せすることはできませんが、こんな状況が考えられます。
画像検索を行っていくつかの画像が出てきましたが、ユーザーの意思を指定することによって、より絞っていくというやり方です。すなわち、「パリ」という言葉を入力したとします。そこで意図しているのは、場合によっては有名人のパリス・ヒルトンかもしれません。あるいはパリの町かもしれません。
そこで出てきた検索結果の画像の中からエッフェル塔を選ぶことによって、もっとこういうものを目指しているのだという意図を示すことができるので、それによって結果のランクが変わることが考えられます。
キーワードには表現力があるわけですが、自分の意図を完全に表現するには不十分ですので、他のやり方でキーワードを補完し、より自分の意図を表現することができるようになるということです。
MacDonald:最初の段階では、検索の主役はキーワードではありませんでした。そもそもYahooの検索は人間がタクソノミー(分類分け)生成していたため、ユーザーはカテゴリーを選び、そこを閲覧してクリックしていくというやり方をとっていったわけです。
ところが、パラダイムシフトが起き、Googleのモデルでは完全にキーワードのみになってしまいました。その利点としては、キーワードを通じて多くのコンセプトを表現することが可能になったわけですが、あまりにも振り子が1つの方向に行きすぎたきらいがあります。
Googleのインターフェースを厳密に例えると、それはコマンドラインのインターフェースになりますが、OSではコマンドラインインターフェースは非常にネガティブなものとして受け止められているわけです。もちろん、広範囲にカバーするためには良いかもしれませんが、例えば画像検索結果を絞り込む際に、例えば「鈴木イチロー」「フェイスショット」などといったキーワードをどんどん入れていくことは、決して優れたインターフェースではありません。
MacDonald:4番バッターがいよいよ出てきそうです。今後1年のあいだに、今までとはかなり違った多くの新しい機能を日本市場及び世界市場に対して展開してまいります。
検索はあまりにもユーザーにとって重要なものですので、これからも進化を続けていくことになるわけですし、まだまだそれが続くものとして考えられます。
例えば、Microsoft Officeは長年使われてきましたが、最近出たばかりのUI「Officeリボン」によって、ユーザーパラダイムに大きな変化を起こしました。検索においても、今後とも非常に急ピッチで変化が続くだろうと考えられますし、その変化はさらに加速化するだろうと思います。そして、今まで以上に強力な競争を我々の方から展開することになると思います。
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