「MSの4番バッターがいよいよ出てくる」--米Live Search担当者

鳴海淳義(編集部)2008年06月04日 19時40分

 Microsoftの検索サービス「Live Search」が苦戦を強いられている。新しい機能は追加するものの、GoogleやYahooのシェアを奪うには至っていない。

 Live Searchはどこに向かっているのだろうか。

 Live Searchの製品および戦略策定を統括するBrian MacDonald氏と、Live Searchの製品開発の責任者であるHarry Sham氏に話を聞いた。

Live Search Brian MacDonald氏(Microsoft CVP, Core Search Program Mgmt)

MacDonald:ご存じのように、我々は対Googleへの競争を展開しており、大きな投資を進めています。そして、レッドモンド(Microsoft本社)においても、ここ日本においても、北京においてもシェア拡大を図ろうと努力を進めています。

 我々は検索結果のレレバンシーでリーダーになろうという決意を持って取り組んでおりますし、またマルチメディア検索という点でもリーダーを目指しています。

 将来的なステップとしては、アルゴリズムから得られた結果とマルチメディアコンテンツを統合し、今後2年間のあいだに最も興味深い結果を出すことを目指しています。

 それから、マルチメディア以降に何を目指すかと申しますと、もっと幅広い考えを持っております。例えば、Google式の検索はキーワードをURLに対してマッピングしようとしているのに対して、我々はそれだけではありません。いかにして直接、人とコンテンツをつなぐことができるかということに注目しております。

 ユーザーパラダイムとしては、私はGoogle式の検索をヒット・アンド・ラン形式と呼んでいます。それはすなわちキーワードからURLを得て、そしてできる限りそれにアクセスさせるというやり方です。ある特定のウェブサイトを探すときには、そういったことを望んでいる人もいるかもしれませんが、ユーザーは必ずしもそれだけを意図しているわけではありません。

 例えば、「デジカメ」というキーワードを入力したとします。あるいは「日本での休暇」と入力したとします。そうすると、ある特定のウェブサイトを自分が探しているわけではなく、それよりもウェブ全体を探索したいわけですから、ただ単にキーワードをURLとマッピングすることだけを望んでいるわけではありません。

Live Search Harry Sham氏(Microsoft Search Product Development)

Sham:私は検索の技術及び研究を手掛けております。また、テクノロジーとしては将来何を手掛けるべきかを検討しております。いろいろと素晴らしい面白い検索の動きが見られるわけですが、とは言ったもののさまざまな検索に関わっている企業の努力があったにもかかわらず、検索はまだ幼年期にあるように思います。

 ディレクトリベースの検索からキーワードベースの検索に移行しましたが、将来は徐々にセマンティックな、コンテンツやユーザーを理解した検索に移行していくと思います。あるいは、ユーザーの意図を組み込んだ検索になっていくと思います。

──Nielsen Onlineによる米国の検索シェアのデータを見ますと、Googleが半分以上、Yahooが20%弱、Live Searchが10%ぐらいです。この状況をどう見ていますか。

MacDonald:非常にやっかいな状況にありますが、ある意味ではシェアの絶対的な規模が重要なわけです。いずれにしても我々としてはこの領域に対してコミットしております。

 我々の問題は、検索市場を真剣に受け止めるようになったのが遅かった点にあると思います。これまでMicrosoftは、検索の出遅れはテクノロジーの問題というよりもビジネス上の問題であると受け止めていました。そのために検索機能をアウトソーシングしていましたが、ごく最近になって、初めて我々自身が構築した検索が出てきました。

 これからは大々的に投資を進め、本当の意味での日本向け、あるいは世界向けの差別化されたユーザー体験を対Yahoo!あるいは対Googleに展開することが可能になると思います。そして、いよいよそのプラットフォームが揃ったところで、我々としては本格的に世界的なシェアを取り戻していきたいと考えております。

ユーザー体験を提供する新しい検索というのは、例えばウェブ、画像、動画といった検索対象を超えたものなのでしょうか。

MacDonald:検索の興味深い点は、検索そのものとインターネットの残りの全体の部分の境界線が、なおはっきりしていない点です。

 面白いことに、世界的に見られる現象として、検索結果により多くの情報が取り込まれています。例としては、インスタントアンサーというようなものが挙げられます。Google OneBoxなども同様で、クエリーを入れることによって、そのアルゴリズムの検索結果が全部揃う前に、データやコンテンツが現れます。例えば、天気予報の情報あるいは映画の上映時間とか交通状況とかそういったものです。

 以前だったら他のウェブサイトを見ていたところを、今は検索結果の領域の中にいろいろな情報を取り込もうとしているわけです。そういったことは、今後も強化していきたいと考えております。

 そしてウェブのあらゆるものを取り込めるように投資を進めていきます。例えば、Q&A、あるいは特定分野における検索エンジンなどです。今までは動画や画像などがありましたが、今後は医療情報も入りますし、我々は米国で旅行関係の検索会社であるFarecast.comを買収したばかりです。

 こうして特定分野におけるエクスペリエンスを検索の中に取り込んでいきますと、より複雑なインターフェースが求められます。そういったところで、Microsoftが今まで持っていた強みを活かすことができるわけです。その部分には相当経験を持っています。

──日本での戦略について教えてください。

MacDonald:我々は日本語における検索結果のレレバンシーについてはナンバーワンであり、しかも最も埋没型のユーザーエクスペリエンスというものを目指しています。

 人々は、日本市場あるいは韓国市場は世界全体とは違うのだと言いますが、実際、日本のユーザーは世界の他のユーザーとは非常に違っています。マルチメディアあるいは埋没型のエクスペリエンスを求めている、また複雑なエクスペリエンスを求めていると言われておりますが、我々はむしろ日本市場は進んでいるのだと考えております。

 そのために我々としては相当多くの時間を費やして、日本市場について検討しております。もちろん、日本市場は単独の市場としても重要だと思いますが、世界全体がどういったものを望んでいるかということを予測する上で大変参考になると思っています。そういった意味では、日本市場は世界全体の先を行っていると言えるかと思います。

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