しかしBattelle氏のFederated Mediaと同様に、Ningも景気後退によって広告分野で打撃を受けかねない。ここでAndreessen氏は再び、Battelle氏と聴衆に対して物事は予測不可能な方向に展開することがあると指摘した。Andreessen氏は、黎明期には「誰もがわれわれに対してインターネットで金をもうける方法はないと言っていた」と述べた。
Battelle氏がAndreessen氏にとってとりわけ微妙な話題を取り上げたのは間違いない。それはMicrosoftの話題である。Microsoftが1995年に「Internet Explorer」をリリースしてAndreessen氏の「Netscape Navigator」ブラウザに致命的な打撃を与えたのは有名である。しかし、泥仕合を期待していた人々は、Andreessen氏がMicrosoftに対してきわめて友好的な姿勢を見せたので失望したかもしれない。同氏は「MicrosoftがOSを標準化していなかったらこの業界がどうなっていたかを想像するのはさらに困難になっていただろう」と述べた。
Explorerがリリースされてパニックになったのではないかと尋ねられたAndreessen氏は「われわれの意図は、適応することだった」と述べた。「NetscapeはMozillaになり、そしてFirefoxになった。これは大きな成功である」(Andreessen氏)
Andreessen氏はまた現在進行中のMicrosoftによるYahooの買収の試みについても意見を述べた。「取引が成立したら、実際に非常に優れた取引になると思う。両社はそこから多くのものを得られると思う」(Andreessen氏)
しかし、Yahooにとってはちょっと残念だとも付け加えた。「企業家精神にあふれた企業、特に過去数年にわたって成功を達成してきた企業の行く末が独立企業でなくなるというのは常に少し残念なことである。しかし、時間の経過とともにこれらのことも自然な進化の一部になるだろう」(Andreessen氏)
Andreessen氏の見解では、メディア産業はまだその方向性を解明していないという。「ほとんどの主要なメディア企業は大部分においてこの変化に対する準備が整っていない。インターネットの歴史を考えると、これは皮肉である。現在、新聞を見るとわかるが、ビジネスの見地から見てその価値が完全に急落している」(Andreessen氏)
Andreessen氏は進化についてさらに語った。しかし、どこか逆説的なのは、同氏が誰もどこに向かっているのかを本当に言い当てることができないと繰り返し強調したことである。「ウェブブラウザが誕生してから15年が経過しているが、物事はいまだに発展を続けている。そして多くの物事がいまだに未知なのである」(Andreessen氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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