エコーブームハッカーズ--新世代ハッカーを追う(後編:追跡) - (page 2)

文:Robert Vamosi(CNET News.com)
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル
2008年04月28日 15時00分

YoGangsta50を追う

 中編では、ウイルスの置いてあるサイトのURLが付いたビデオをYouTubeに投稿したYoGangsta50というハッカーを紹介した。多くのユーザーがYouTubeアカウントに偽の情報を登録しているが、Boyd氏は「Hood Life」というGTAの改造版ゲームで手に入った情報をそのまま真実と受け取ることにした。ファイルをアップロードしたのは「YoGangsta50」という名前の人物である。

YoGangasta YoGangasta
提供:FaceTime Security Labs

 投稿に付けられたコメントによると、YoGangsta50という名前を使用している人物は以前に「50 Cent」というフォーラムに侵入したが、まもなくそのフォーラムと関係が不和になったという。YoGangsta50の居住地がコネティカット州ハートフォードであることを知ったのはこれらのフォーラムの投稿からである。他のオンラインの投稿をチェックしているうちにBoyd氏はYoGangsta50に関連して繰り返し出てくるテーマがあることに気づいた。それはこの人物が漫画とアニメ作品「The Boondocks」のマニアであることだ。別の場所ではBoyd氏はこの人物のファーストネームが「John」であること、そしてJohnはひょっとすると黒人かもしれないことを知った。

捕まえた!

 別の検索エンジンを使用して、Body氏は次に「Bolt.com」のプロフィールページ、さらに「Xanga.com」のプロフィールを見つけた。後者には間もなく開設される別のソーシャルネットワーキングページへの参照が含まれていた。これらすべてのページではThe Boondocks、19歳という年齢、そしてコネティカット州に対する参照が含まれていた(Boyd氏が別の場所で見つけた情報と一致していたわけだ)。Boyd氏は、「VitalSecurity.org」のブログ記事の中で次のように結論づけた。「年齢が16〜19歳で、コネティカット州ハートフォードに住んでいて、本名が『John』と考えられ、The Boondocksに入れ込んでおり(暇さえあればオンラインで他の人にThe Boondocksについて語っている)、たまたまYoGangsta50と呼ばれている黒人の若者は何人くらいいると読者は思うか」(Boyd氏)

 どうやらYoGangsta50はBoyd氏のブログ記事を読んでいたようである。YoGangsta50は自身のブログに次のように書いている。「みんなこの僕と縁を切ることができる。ひょっとするとインターネットは自分に合わなかったのかもしれない。こんなことはもうしたくない。誰か助けてくれ」。YoGansta50はさらに続けて、自分が作成したウイルスを削除する方法について説明している。「Windowsをセーフモードで起動し、C:\Program Files\GTA Hoodlifeのフォルダを探し、次にUnins000ファイルをクリックして実行すればウイルスが削除される」(YoGangsta50)。彼はビデオを削除し、さらにインターネットから自分の存在を削除しようと試みた。

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