Googleの1000万ドルは、次期Androidプラットフォームで有望と認められたモバイルアプリケーションの複数の開発者に少しずつ分配される。このコンテストは2ラウンドで実施され、最初の締め切りは4月14日である。これは、航空工学やロケット工学の革新技術を生み出し、そして場合によっては月面探査車やエネルギー効率の優れた自動車を生み出す可能性のある、「X Prize Foundation」やその他の奨励賞金コンテストに倣ったものである。
一方、KPCBはApple iPhoneのモバイルアプリケーションで大もうけをしたいと狙っている開発者の目の前にさらに大きなニンジンをぶら下げた。この由緒あるベンチャーキャピタリストは、Appleがソフトウェア開発キットを公表した3月初めに1億ドルの基金を発表した。KPCBとの契約を獲得した開発者は潤沢な資金が得られるだけでなく、Appleのプラットフォームとも十分なつながりがもてるようになる。KPCB iFundの立役者であるMatt Murphy氏によると、これらの取引ではAppleの最高レベルの幹部らが顧問を務める予定だ。
KPCBはすでに自身の事業が後援している2、3の新興企業をiFundに送り込んでいる。そこにはソーシャルネットワーキングアプリケーションを開発しているPelagoなどの企業も含まれる。
それでも、こうした具体的な目的を持った基金はこれまで失敗に終わっていた。例えば、ドットコムブームのころ、KPCBは「Java Fund」を発表したが、この事業からはたいした成果は得られなかった。こうした理由から多くのベンチャーキャピタリストは、この種の基金は話題作りだけで何ら実質的な成果を得るための方法ではないと言っている。
「それがすばらしいアプリケーションであれば、iPhoneでもAndroidでも資金を提供しようと真剣に検討するベンチャーキャピタリストはあるだろう。一般論として、ベンチャーキャピタリストはキャリアが主導権を握っているアプリケーションにはあまり興味を示さない」とCharles River VenturesのパートナーであるGeorge Zachary氏は述べる。
多くの開発者にとって、実績のある顧客リストが存在するという理由から、開発プラットフォームとしてはAppleのiPhoneの方が魅力的である。Androidとは異なり、iPhoneのプラットフォームにはハードウェアを持っている数百万人の顧客がいる。さらにボーナスとして、Appleが承認したアプリケーションをモバイルストアで販売してもらえる。
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