しかし、オープンソースの擁護者を含め、標準を支持する人々の多くがISOの承認を残念に思っていることは確かだ。
各国の標準化団体の多くは、2月に開催された技術的問題を解決するためのBallot Resolution Meeting(BRM)の後でさえOpen XMLに関する投票で反対または棄権をした。投票の結果は賛成75%、反対15%だった。
ノルウェーの標準化団体Standards Norgeの関係者は、投票の実施方法に不満を述べた。しかし、その1票が反対票に転換されたとしても結果が覆ることはなかっただろう。
IBMの幹部は、Open XMLについてOpenDocument Format(ODF)標準と重なり技術的にも不完全であり「オープン性」が不十分として標準化に反対する活動を精力的に繰り広げた。広報担当は、ISOの公式発表がまだであることを理由にコメントを避けている。
Free Software Foundationは、各国標準化団体が投票する数日前に、Open XMLに関する法的保護は信頼できないとする法的な分析を発表した。
議論が長引く裏には、どうやら、一筋縄ではいかない問題があるようだ。
その一つは、Microsoftの幹部を含む陣営は目的に応じて異なるさまざまな「標準」があってもよいとする一方、反対陣営は同じ目的に異なる標準が存在するのは間違っていると主張している。
こうした出来事はまた、激しい反Microsoft感情を引き起こしている。
ODF仕様のエディターであるPatrick Durusau氏は、Open XMLをISOで承認し、ODFとの相互運用性を改善するよう働きかけてきたが、Open XMLに反対する企業は「ビジネス戦略上の思惑」で動いていると述べていた時もある。
Open XMLを管轄する標準化団体EcmaとMicrosoftが、6000ページに及ぶOpen XMLの仕様書の徹底的な審査を行う手続きを加速する迅速な手続きをISOに求めたことも、よく聞かれる不満の1つだ。
ODFの支持者で標準に詳しいAndrew Updegrove氏は1日、手続き全体の徹底した見直しが行われることになるだろうと述べた。
「手続きの仕組みには、明らかに、何らかの改革が必要だ。今回のように重要かつ商業的な戦略が絡むような標準を扱うとき、次回は、より適正な手続きとなるようにしなければならない」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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