UPDATE これは公式の情報だが、ComcastとBitTorrentは、休戦協定を結ぼうとしている。
Comcastが、BitTorrentプロトコルに基づくファイル共有トラフィックを妨害しているることを認めて以来、何がインターネットサービスプロバイダー(ISP)による適正な「ネットワーク管理」に含まれるのかに関して、さらには、(ISPによる)不当な制限を禁じるネットの中立性に関する規制を求めることに関して、激しい公開討論が繰り広げられてきた。
しかしながら、規制当局が両社に注目するのはいつものことで、これを受けて両社は米国時間3月27日、この問題で協調姿勢を取る方針を明らかにした。この問題の行方は、すでにいくらかの懐疑的な見解を招いており、両社が合意に至ったからといって、Comcastの対応を追及している政策担当者を満足させられるかは定かではない。
「協力することに努める」と述べられているからといって、Comcastが、ネットワークを使用するトラフィックの管理を断念したという意味ではない。
むしろ、Comcastは、「プロトコルを選別しない」方法でデータ管理ができるように、年内にネットワークの再構築を行う方針であることを明らかにした。Comcastは、(ネットワークが)混雑するピーク時には、BitTorrentプロトコルのアップロードを「遅延させる」制限を取ったことを認めたが、新プロセスで明らかになっているのは、消費者がどのようなアプリケーションを動作させているのかにではなく、どれくらいの帯域幅を使用するかに基づいて、トラフィック管理を行うということのようだ。
どの程度の帯域幅の使用で、こうした(制限を課す)ステップに踏み込まれるのかは、明確にはされていない。米連邦通信委員会(FCC)の最近の公聴会で、ComcastのバイスプレジデントのJoe Waz氏が、同社のネットワーク管理方針について語ったように、Comcastは、どの程度のブロードバンド速度でサービスが提供されるのかを消費者に明示してはいるものの、どれくらいの帯域幅が割り当てられているのかに関して明文化することはしていない。その代わりにComcastは、同社サービスの加入者が、他の加入者の利用を妨げない方法で、サービスを利用できる権利を有していると説明している(News.comのDeclan McCullagh氏が米国時間3月27日午前に行ったインタビューでは、Waz氏は「帯域幅の上限」を設けることは計画されていないと語り、同社が提供予定のプランに関して、より詳細な点を明らかにした)。
BitTorrentで最高技術責任者(CTO)を務めるEric Klinker氏は、今回のアイディアは「インターネットコミュニティーにとって、より透明性に優れた技術」を開発することが目的であると、声明の中で述べている。
ComcastのCTOであるTony Werner氏は、この数カ月の間、Comcastが同「技術」の開発に取り組んできたことを明らかにした。Comcastは、同技術の発表後に、フィードバックとテストに基づいて改良を加えていく予定である。
一方、BitTorrentは、インターネットサービスプロバイダー、他の技術企業、非営利の標準化団体Internet Engineering Task Force(IETF)と共同で作業し、Comcastのようなネットワークにおけるファイル交換を最適化する方法を開発することも計画している。また、BitTorrentは、同社の作業をフォーラムやインターネット関連標準化団体に公開し、他のアプリケーション開発者が状況を把握できるようにすることも計画している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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