うまくいかないですね。例えば、ユーザーがテキストを取りにある企業サイトを訪問したとします。ここまではまだよかったんです。軽いファイルであれば何人同時アクセスしても大した問題じゃなかった。これがリッチ画像・動画・音楽・ゲームなどといった大きなデータファイルになると、多くの人が一度にアクセスした場合、どこかで詰まって遅くなってしまいます。
CDNが何なのかというと、お客様のサイト全体を預かったり、そのサイトから配布するファイルを当社の配信拠点経由で配信することです。そうすると、ユーザーは企業サイトにファイルを読みに行っているつもりが、実際は一番近いライムライトのサーバに行っているので、安定した配信が実現できるわけです。
もう一つ、企業が苦慮しているのは、サイトへのトラフィックに波があることです。通常でもある一定量の大きなデータトラフィックを持っている企業であっても、その上を行く急に発生したトラフィックを捌くのは非常に大変な設備投資が必要になってきます。たとえば、弊社が提供しているレーベルゲートさんの音楽配信やソニー・コンピュータエンターテインメントさんのシステムアップデートなどがこれに該当します。また、広島東洋カープと中国放送が共同で実施したインターネットでの野球中継のライブ配信が良い例だと思います。
いままでと同様のトラフフィックであればそれほどの設備投資やシステムの増強は必要なかったのですが、最近のインターネットを利用した様々な試みを取り入れることにより、これまで以上にトラフィックが跳ね上がるわけです。そうすると、瞬間的なトラフィックの分も設備投資していなければいけない。CDNはそこもカバーすることができます。
メディアですかね。続いて音楽、動画、ゲームで、広告ももちろん結構な規模です。プロモーションというくくりでいうと、広告と企業のランディングサイトもセットになりますので。
大きなメディアサイトだと自社で広告を配信したりできるのですが、小さいところだと動画広告とかを同じサーバで運用してしまうこともあります。結果としてサイト全体のパフォーマンスが落ちてしまうため、そこだけやってくれというケースが結構あります。
これはeMarketerというアメリカの調査会社のデータですが、30KB以上をリッチメディアとした場合に、2011年にディスプレイ広告とリッチメディア広告のシェアが入れ替わるということです。
課題は、どこにフォーカスしていくべきなのか、ということですね。最近は、ECサイトなども結構ニーズが高くなってきています。例えば中古車サイトで、検索条件に「1985年以降 予算300万」と入れるとしますよね。そうすると、某中古自動車会社の場合、先に値段と年式だけ出て、ずっと画像が出てこないケースが結構あるのですが、忙しいのにそんなところで買わないですよね。
そういったことがある程度明るみに出てくると、自社で投資するか、負荷分散会社に話をするか、どちらかになってくるので、おそらくよほど長期的ビジョンがしっかりしていて、採算が確実に取れるという話じゃないと、そんなに巨額なデータセンターには投資できないはずなんですよね。
当社は現在、完全にインフラ側をサポートしています。これからリッチな広告やメディアが増加していくことを考えると、最終的には分析ツールや、視聴動向データを、お客さんの許可を得て提供していきたい。もちろん今すぐは難しいですが、データが集まってくれば、コンサル的なサービスをバリューとして足していくことができると考えています。
今年もターゲットとする市場は、メディア、音楽、ゲーム、ソフトウェアに加え、もちろんブランディングプロモーション分野がメインになりますが、要は各サイトのクリエイティブ訴求をベースにしたリッチメディア化に貢献していきたいというのがあります。
当社はメディアや広告の生態を理解している会社だと思います。開発担当者や技術者もいますけど、硬いイメージのテクノロジーカンパニーではなく、メディア、プロモーション、エンターテインメントを主要なお客様とするにあたって、その業界のスキルや仕組みなどを非常に理解している人材が集まってきているという感じです。
これは2007年から言っていますが、2008年は新規クライアントを少なくとも100社は獲得すること。そして、やはりプロモーション、広告系との関係が深いので、それらの業界のCDNに関しても第一人者の会社として成長させていきたいと思います。
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